あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2007年06月06日(水)


あなたの、水が欲しかった

ひづめをぬかるみに置くように
あなたの、膝の上には
柔らかなものが満ちていて
たてがみが濡れることも、私は構わなかった

(水、すいかずらの匂い、緑は濃くなり、夏が)

あなたの上に残した刻印
私の跡はいまでもあるだろうか
ひづめというものは
いつだって蹴散らすものだと
知らなかったのだ、ずっと

(まなこの上を覆う水は、あなたのものではない)

わたしの駆けてきた大地に
あなたの水は降り注ぐのだろう

遠く、夏のにおい、湿った草の匂い
いっときだけ駆け抜けた
あめの匂いがする







過去 一覧 未来


My追加
 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe