あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2007年03月13日(火)

明日のための水を
貴方はもう汲み終えただろうか
てのひらを優しくくぼませ、
あの日、わたしを受け止めたように

わずかな広がりの水面に
映るのがわたしの顔ではないことや
固い指の付け根に残る湿り気を
拭う事も許されないなど

知っていたはずなのに

忘れてしまうのです
時々、水の匂いが強すぎて

貴方は水を正しく注ぎ
今日というつづりをぱたんと閉じるでしょう

その隙間、せつなという場所にでもわたしが
映りこんでいるなら
わたしもまた水を汲みに行こうと思うのです



過去 一覧 未来


My追加
 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe