あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2006年11月06日(月)


雨の日はむしろ
優しい
支えきれないと手放すのは
いつだって青空のほうだ

記憶にあるいつかの日
昔々のお話に語られる日にも
裏切るのは雲ひとつ無い空
祈りの言葉など支えきれない、と

 (わたくしたちが)
 (へいおんでありますように)
  (しあわせでありますように)
  (ゆたかなものでありますように)

     (わたくしが)    

唐突に 落とす

              ぴかり

  ど   す   ん

             
わたくしが子供だった頃
おそろしいものなど何一つ無かった
何者でもない眼で見下ろされても
身じろぎなどしなかった

祈ることを覚え
きっと過ぎてしまったのだろう

雨の日が続けばと願う
せめて薄ぐもりの日々が
あの空の色を忘れさせてくれればと
ぬかるんだ土に目を落として願う

ひかりが、私のもとに来ないようにと
薄闇のなかに、眼を閉じていられますように、と。



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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe