あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2005年11月02日(水)

ハナは行ってしまった。
「わたしたち」という言葉の、つうじない場所へ

明日には雨も上がる。
土を押しのけて双葉は、
小さな頭をもたげるだろう。

そういうものに、ハナはなるのだ。
明日、黒々とした土をかけて、
踏みしめて笑ってやるべきか。

それとももう一度雨が降り、
ぬかるむのをまつべきか。

ハナは行ってしまった。花というものにでもなるために。


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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe