七竃雑記帳
桂木 炯



 唐突に




この日も仕事だったのに
唐突に

大阪市立美術館へ


この日が最終日の
「ギメ東洋美術館所蔵浮世絵名品展」
に行きました

寝ないまま。


母とともに
さんさんと降り注ぐ朝日の中
さすがにお役所仕事で
人の並べ方が分からない
美術館職員と揉めるお客さんを

ぼーーーっと

眺めつつ
開館前の15分間を過ごす


なんたって浮世絵
言ってみれば

昔のグラビアのようなものだ

その時代の
町評判の美人やら
役者やらの絵がずらっと並ぶ

さすがに
その頃の流行の着物過ぎて


どう重ねて、どう帯を結んでいるのか分からないね
でも
モダンよね

などと言いながら
この展覧会の目玉に到着


葛飾北斎肉筆で
数年前に一対の作品であると言う事が分かり
今回100年ぶりに再会する

「龍図」(ギメ東洋美術館蔵)

「虎図」(太田記念美術館蔵)


雲を纏い
空に浮かぶ異様に迫力のある「龍図」

地上で雨を全身に受け
空をにらみ吼える「虎図」

虎は随分斬新な書き方で
あの時代の虎にしては
こってりしてない感じの虎

そして
とにかく力のある龍が素晴らしかった
力量のある絵師が書くと
絵そのものに霊力や魂が宿るとはいうけど


まさにその通りという感想


すっかり充電し
表に出
そのまま
天王寺公園内にある「慶沢園」を散策
睡蓮が咲き始めたところで
そのほかは

全て新緑・深緑

という
疲れた目に優しい状況で
潤って帰宅


最近しおしおに弱っていた私に足りなかったのは
文化(芸術)と自然であったと痛感
たまにはそんなとこに出かけないと駄目だー




2007年05月27日(日)
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