七竃雑記帳
桂木 炯



 その朝




背中を突き上げる振動で起きた

テレビ画面にはまだ何も把握できていないアナウンサーが映っていた

時間が経つにつれ想像もしなかったことが起きたのだと分かった

いくら情報を把握しても

そこにいる人たちの想いの欠片も理解できないだろうと思った

何か出来るか考えた

でも自分は身動きのとれない学生だった

出来たのは指定された番号へ送金するくらいだった

それ程自分が非力だと思った

何も出来ないんだと思った

それが悲しかった





怖いより
とにかく自分が情けなかったなって思うんですね
同じ揺れを感じて平気だったけど
何一つ出来なかった地域の私は
今も
その
なんとも言えない気持ちを思い出します
今になって
何か起こって自分が何が出来るのかっていえば
それも分からないけれども
あのときと同じではいたくない
そう思い直す日です








追記:12/19の日記改正しました・1/14の日記書きました。


2003年01月17日(金)
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