担当のYさんとは いつも長い会話をしているなぁ と 今日つくづく感じたのです
朝 部屋に入り 部屋の様子でだいたいの精神状態を察知します 山のように積まれたパジャマ きちんとたたんであります 『熱かったのかな?ちょうどいいのが見つからなかったの?』 と 問いかけつつ 返事は期待しない様子で動きます 答えたい質問かどうかは その雰囲気でわかるので どうでもいいことは流します 「歯は・・・」
ん? 『歯が気になるなら替えますよ?』 「歯じゃない」 きたきた 言いたいことが言えずに居る 『いいの?どっちでもいいですよ 替えるなら言ってね いつでもどうぞ・・・ちょっと洗濯ね』 こんな調子で 本当に言いたいことを 聞き出し始めている私なのです その後 散歩に出て 園内受診をし 売店でトイレットペーパーを買い ココアにとろみをつけたおやつに 京都の娘さんから送られてきた 八つ橋を食べられるように溶かしてトロトロにし お茶をついでから Kさんの所へ行き 戻ってきてから お風呂の準備です 「お昼食べた?」 ん? なんでだ? 『まだよ これからお風呂に入って それからね』 「それから・・・お昼・・・」 何が言いたいのかな・・・ 『まず血圧と体温計ろうねぇ』
「今夜 誕生会や」 『あらいいねぇ じゃあワインにお赤飯だ ごちそうごちそう 楽しみだねぇ』 「食べられるか?」 『うん大丈夫 ミキサーにかかっているけど ちゃんと同じメニューだよ』 「お寿司なんや・・・」 『・・・えっ?誕生会なのに?』 「昼な お寿司やで・・・・・ 食べられるか?あんたしてくれる?」 なるほど!!! 朝の 「歯は・・・」 はここにつながるのね つまり お昼は ゛助六寿司゛ ところがミキサー食のYさんには お寿司はもちろん無理 酢飯だけいただいて私が食べやすくしていたけれど 今回はそれも無理 だけど 鬱から戻ってきたYさんは いろいろなことが鬱の前の状態に戻りました ゛酢飯が食べたい゛ 食べられないことがわかっていても 食べたい気持ちは伝えたい 朝の一言から その気持が伝わってくるまでに 3時間かかりました なんとも長い会話です Yさんと私は べらべらと長くしゃべるのではなく Yさんの一言から 成立するまでの時間が なんとも長いというわけです
ミキサーにかかったお粥はトロトロ・・・ それをトロミをつける粉で持ち上がるまでかためます 今日は厨房の調理員さんににお願いして 三杯酢を作っていただきました 「あぁ そーだ 酢飯が好きだったんだよな 酢飯だけ食べてて 次にお粥に酢飯を混ぜて とうとうミキサーだけじゃ寂しいもんな 今作ってやるよ まってな」 海苔と稲荷のおあげ かんぴょうなど 食べられないものだらけのお寿司 だけど昔から大好きだったお寿司なのです お小皿に三杯酢をいただき マヨネーズ状のお粥に混ぜました
『どうだろうYさん・・・酢飯の味だけだったけど・・・ ちょっとは楽しめたのかな・・・?』 「すごく んまかった!!」 『おおお!!よかったぁ』
3時間かけて分かり合えたかいがありました
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