三楽の仕事日記
DiaryINDEX|past|will
2006年07月01日(土) |
読売教師力セミナーin名古屋で模擬授業 |
ここのところ疲れがとれない。睡眠時間は意識して長くとっているのだが、朝から体が重い。今日はセミナーで道徳の模擬授業をすることもあって、気持ちの重さも手伝っているのかもしれない。
出発前にいくつかの雑務を片付ける。そして名古屋国際センタービルへ。途中駅で思わずエネルギー補充。11時30分会場入り。
会場を見たり、みなさんと話したりしていると、体の中にエネルギーが溜まってきた感じ。いつものように楽しもうという気持ちになってきた。
参加者は定員200名を超えて260名ほど。会場は超満員という感じ。このようなところで模擬授業がやれるなんて。やっぱりうれしいことだ。
セミナーの最初は、愛知県教育委員会の牛田指導主事の話から。話の構成がよく考えられていて、とてもまとまりのある話。5月某県でのセミナーでのトップバッターとは格が違うなあと思った。続いて愛知教育大学学長の田原先生の講演。教員養成コンソーシアムがめざしているものについて話していただいた。そして志水先生の講演「授業力アップをめざす方策」。いつも聞くたびにさらに分かりやすくなったと思うのだけど、今日の講演はこれまで以上にシャープだった。感想を志水先生に言うと「いつも進化していなくてはね」と一言。だからまた聞いてみようと思うわけだ。今回の20分の講演は我が校の先生方にもぜひとも見せたい。コンパクトでシャープ、そしてやるべきことがはっきりしている講演だった。ネットで流れるのはいつだろうか。楽しみだ。
そして「達人の授業を見てみよう」というコーナー。授業者にはかなりのプレッシャーになるタイトル(笑)。
まずは伊藤彰敏さんの国語授業。今回はビデオ放映。これが私の国語授業だ!という主張がしっかりと伝わる授業。根拠となる文をはっきり示させ、その上で自分の読みを発言させる。だれもが「ここにこう書いてあるのだから、こう読める」という発言ができている事実!この事実がすごい。会場のみなさんはどれほどこの事実を認識したのだろうか。ともすると、国語科においては発言さえすればよいといった風潮があり、根拠のない、表現だけに酔ってしまっている発言がされることがある。教師もそれらの根拠を明確にさせず、「そうだよね。そんなふうにも感じるのだね。よく発言できたね」などと認めてしまうことが、特に小学校国語であるように感じている。そんなものは国語の授業ではないのだ!という主張がはっきりと分かる授業だった。コーディネータの大西さんと伊藤さんのからみで、そのあたりがさらに強調され、学生さんにもしっかりと伝わったことと思う。
そして僕の道徳模擬授業。「20分間で完結したい、授業技術をありったけ見せたい、子どもと創る授業は楽しいものだと感じてもらいたい、取り得る行動の検討は道徳授業として使えるものだと伝えたい」こんなたくさんの思いをもって登壇。ベテラン(笑)の生徒役の皆さんに助けられ、楽しくあっという間の20分間が過ぎた。授業が進むにつれて生徒役を忘れ、ご自身の道徳観にしたがっての発言になってきたことがなりよりうれしかった。様々な亀の立場になって悩み、そして発言していただいている様子は、きっと会場の皆さんにも分かっていただいたと思う。生徒を授業にのめり込ませることができた!というのは、あまりにも言い過ぎかな?最後の振り返り感想を書く時間がなくなってしまったので、昨日の子どもの感想を読ませてもらって授業は終了。
終了と同時に放心状態。こんな状態になったのは久しぶり。20分間で全精力を使い切った。脳みそがグルグル回り続けている感じ。大西さんが僕の授業のポイントをクローズアップしていただける質問をしていただいたが、なかなか落ち着いて答える状態ではなかったことは申し訳なかった。
僕のあとは定番の和田裕枝さんの模擬授業。和田さんの主張もさらにシャープになっていて、子どもを活かす技は会場のみなさんにしっかりと伝わったことと思う。志水先生に「私が見た中で一番授業が上手な先生だよ。和田さんの授業を見るとよい」と勧められたのが6年ほど前。和田さんは大学の同窓生!さっそくお願いして初めて見せてもらった授業に脱帽。あまり前に出たがらない和田さんだったけど、皆さんに懇願されて、最近はかなり発信してくれるようになった。これも僕はうれしいこと。
最後のコーナーは質問コーナー。ほとんど脱力状態。ついつい「道徳授業で疲れ切りました」と発言。しっかりしている伊藤さんと和田さんにお任せコーナーだった。ごめんなさい。
終了後に懇親会。教務主任として学校研究を進めている和田さんから、模擬授業を多用して授業力を挙げている取り組みを聞く。他校の先生方でも変容を聞くのはうれしいこと。確かに我が校も授業力はアップしてきたと思うのだけど、それは単に校長の思いこみかもしれない。それをなんとかはっきりできる方法はないだろうかと質問。それへの答えはもらえなかったけれど、自分自身が授業力がアップしたと感じるときの気持ちの変容については、とても具体的な良い話を聞かせてくれた。やはり授業にこだわり続けている和田さんだ。
そしてどうしても書いておきたいことがある。僕が新任から3年間勤めた米野小学校での出来事。そのころ、僕は古典芸能クラブをつくって、子どもたちに落語や漫才や大喜利などを教えていた。それを取材して中部読売新聞の見開き2面の記事にしていただいた記者さんと、25年ぶりにお会いできたのだ。セミナー案内で僕の名前を見て会場に来ていただいたとのこと。
あのころ、特に荒れた中学校が多くて、目を覆いたくなるような教育記事が多かった。何か心温まる教育記事はないものかと探していた新聞記者の目に僕の活動がとまったのだ。とても大きく取り上げていただいたおかげで、ズームイン朝、NHK北陸東海、東海テレビ奥様2時です!などで立て続けにテレビ出演。「落語先生奮戦記」という番組まで作ってもらった。そのきっかけをつくっていただいた記者さんとの再会。道徳模擬授業とともに忘れられない1日となった。その時の記事(中部読売新聞1981年3月8日版)は自分のホームページにアップしている。「子どもたちが名ビラをもって笑っている写真は忘れられませんね」と記者さんから言われた。そう、その通り。やっぱり子どもの笑顔はいいものだ。
2005年07月01日(金) 研究授業が続く 2004年07月01日(木) 教師力がつく学校に 2003年07月01日(火) またもや雨
|