三楽の仕事日記
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2004年12月21日(火) 数学授業をやった!(長文ごめんなさい)

いつものように昇降口掃除。「いつものように」と書くのはちょっとおこがましいかな。

今日は今年度初の数学授業。コンピュータ室でまだはっきりしない授業の流れを構想。先に視聴率の話題を出すか出さないか。数学を世間とリンクさせるには、最後に登場させた方が良いと判断し、予備データをいくつかメモ。やっと教材研究完了。

ベネッセの勝田さん、東京から到着。撮影隊のメディアワークスさんも来校。応接室でカメラさん、音声さんから取材で数多くの授業を見てきた知見をいくつか聞く。聞かなきゃよかった!えらいプレッシャーがかかる。

3時間目。3年選択生徒を対象に授業開始。
「170.2,168.5・・・という5つの数字を提示して、この数字は何だと思う?」が初発問。
いきなり「小数点がついた数字」という返答。
「そう、そのとおり」見たままの実に素直な意見。続いて、「身長」という声があがる。

「この5人の身長の平均を求めてみよう」と指示。
ところが、予想以上に計算が遅い。しかも数値はバラバラ。
発表させると、4人目には自信がないのだけれど「180.5」という答え。
わあっと受けて「そりゃあ、おかしいわ」という声が上がる。
「なぜ、笑うの」と問いかける。
「だって、180以上なんてだれもおらんのに、平均になるわけない」
「なるほど。そうか、きちんと計算しなくても、これはおかしいぞ!と判断をつけることもできるわけだ」
次の子どもに当てると、「もっとおかしいけど」と言いながら「190.・・・」
「169」という数値に対しては、
「らしくない」というつぶやきあり。それを拾って数学の舞台へ。
「らしくないってどういうこと?」に対して、
「169が平均だとしたら、168.・・・が2つあっても、174とか178があるから、らしくない」といった発言を復唱法で引き出し、意見の価値づけをする。
19人全員に当てて、やっと何人かの数値が一致して、平均は「173.4」に。

次に100人分のデータ一覧を見せる。
「当然、予想でいいので、100人の身長平均を書いて」と指示。
さあっと回る。当然、バラバラ。大きな開きあり。

全員発表させて、予想値の最大値と最小値にマーク。

その上で、100人の正確な平均を@発見島で操作研修もかねて一人一人が出す。平均は「168.5」。

予想値を見ると「168.6」という子どもが一人。
「どうやって予想したの」と聞くと
「カンで」という返答。
「カンと言っても何か思って出したのでしょ。どうして」と聞くが「・・・」。

そこで他に近い数値を出した子どもに指名。
「平均を170と考えてみて、10個くらいをみたら、もうちょっと低いなあと思って」。
「数値の最大と最小を見つけて、その半分をして、5つくらい見て調整」。
「自分はクラスでちょうど真ん中くらいだから、自分の身長を言ってみた」という男子の発言もあり。
これについては隣の女子が「男子だけの真ん中ではいけないのじゃないの」というつぶやき。
それを拾って、本人に聞くと「そのとおりです」という応答。
子どもって、やっぱりいろいろと考えている。授業はやっぱりおもしろい。
再度、ごく近い数値を出した子どもに聞く。やっぱり「・・・」

ここでいよいよ標本調査を簡単に紹介。
「何人かの人がいくつかのデータを見て数値を予想したように、こういう場合も100個のデータで平均を出さなくても、それより少ないデータで調べても、かなり本当の平均に近い数値が出るんだよ。それをちょっと確かめてみようか。@発見島で個数を指定すると、自動的に平均が出るようになっているから、やってみようか。例えば、いくつのデータでやってみる?」
「80」
「じゃあ、80でやってみよう」と操作。すると、なんと平均は「168.5」。まったく同じじゃないか!自分でもびっくり。

子どもたちにいくつまで少ないデータで大丈夫なのかを確かめようと投げかける。
自分の取り組んだ結果をもとに全員に発表させる。70〜20まで様々。これはこれでよし。

「次に1000人分のデータの平均なら・・・」とコンピュータ画面の切り替え。

「今度はどれくらいならいいと思う?」と全員に聞く。
500をピークを、最大700から80まで様々。
実験開始。

「画面を呆然と見ていたの?何か意識して見ていた人は?」
「・・・」
「そうか、まだまだ玉置を超えられないな」と子どもには訳の分からない自慢。
前の子どもがなんとなく言いたそう。
そばにいくと、平均値が次から次に出されていくところを指さす。
「よく分かったね」と誉めると、子どもが明るい笑顔でお返し。

85程度の標本数で、かなり正確な平均に近い数値が出ていたので、それを読み上げる。
1000データのうち80ほどのデータで平均を出しても、かなりいい線が出ることを説明。

最後は視聴率調査をインターネットで提示。
「紅白を見ましたかと聞かれたことないよね。でも視聴率が発表されているよね。それはこういうわけで・・・」と標本数6500世帯ほどで調査がされていることを説明。関東地区だけで世帯数は15,798,000世帯。チャイムをすでに鳴り終わり、延長授業となってしまった。

子どもたちの頑張りを誉めて授業終了。やっぱり授業はおもしろい。

4時間目は菊池さん3年4組で@発見島「パターンをつくろう」の授業。予想以上に子どもたちは柔軟で、どんどん関係を見つけていく。脱帽。子ども同士で気づきを交流しあうと、もっとおもしろい授業になったと思うが、ここが本校の来年度の課題でもある。いずれにしても果敢に挑戦した菊池さん、おつかれさま。やっぱり授業はおもしろい。

3時間目途中に来校いただけた大西さんと給食を食べながら授業論。教頭さん、長江さんも途中から呼んで参加。

僕は小牧中時代からお世話になりっぱなしの永井さんと懇談。永井さんは年間を通して小牧中のイングリシュガーデン等を気にしていただいて、水まきをやっていただいているボランティアさん。ほろっとくることを言っていただいて、ちょっぴり涙。

15時、パークアリーナでの「ジュニアクラブ推進部会」に出席。僕は第二部会長。市内文化部員にとった450枚余のアンケートの集約結果報告。なかなか先が見えてこない苦しさ。最終的には吹奏楽部と演劇部に再度アンケートをとり、方向性を探ることに。またまたアンケート作り、そして集計。う〜む。いつしか外は真っ暗。

夜、本校の生徒とたまたま出会う。うれしいことを言ってくれた。心動いて、ずっと悩んでいた明日の終業式の式辞ネタにすることに決定。帰って原稿を書いて横になる。明日はもう第2学期終業式。時が経つのは実に早い。


2003年12月21日(日) けっこう仕事がはかどった1日