| 2009年09月20日(日) |
『静かじゃない大地』 |
秘密プロジェクト「大草栽培」をめぐる話です。 コメディと思わせておいて、意外にシリアスな舞台でした。
人の良さそうな顔をして、村長の大ドンデンが結構インパクト強かったです。 温和な農家の斉藤妻の悩みが解決したことは本当に良かったです。ここだけは文句なくハッピーエンド! ワケあり事情を抱えていそうな女子高生涼ちゃんは、本当にワケありで、ラストにかけての肝の据わり方がステキです。ケンカ煽ってるし! 製薬会社の営業と新聞記者の駆け引きは、最後まで楽しませてくれました。
坂崎は動きのない人物像なので、美味しいところは回りにもってかれた感がありました。でも、精神病んでるアツ…満足です(笑) 妹に恋慕されて、妹を助けるために大草の麻酔効果を研究してたのに、報われずに自殺されて、そのショックで記憶が混乱してる…というファンにとっては美味しい設定です。 兄の恋人美潮との結婚式にアテツケのように自殺する妹…凄まじい執念です。そりゃあ、忘れられないでしょう!
幻影で時々現れる妹は、現実で元気な涼ちゃんと瓜二つで、ラストで妹と涼ちゃんを混同してしまう「美潮がいなければおまえは死ななかったのか?」という坂崎の問い掛けに、涼ちゃんが「美潮さんはいた方がいいし、自分は生きてく」ってキッパリ言うシーンが印象に残ってます。 これで坂崎は救われた!
と思ったんですけど… あのラスト????? 禁断の記憶喪失! 妹の幻影に怯える坂崎を見ることがなくなったから、美潮にとってはハッピーエンドなんだろうけど、坂崎にとってはまた逃げたことになるんじゃ? 同じことの繰り返しを暗示させている気もするけど。 まあ、同じことが起こっても、美潮は坂崎を取り戻すために、あらゆる手段を使うんだろうなと想像できるので、女って怖い…
そんな舞台でした。
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