『建築探偵』シリーズ。篠田真由美 北森鴻を(1冊残し)読破したので、次に何を読もうかと探していたら、篠田真由美の『建築探偵』シリーズが、あっというまに巻を重ねていたことに気づきました。 最後に読んだ『仮面の島』が外国の話だったので、読みづらかったのが遠のいていた理由です。
『月蝕の窓』 建築探偵は設定がいつも暗いんですが、加えて今回は京介視点の話なので、途中滅入るくらい、重い流れで進んでいきます。 冒頭で京介が深春との距離を測りかねていて、『前作で一体何があったの!?』と気になってしかたありませんでした。 (すっかり内容を忘れてしまった『仮面の島』を借りて読み直しました:苦笑) 建築探偵である必要があるのかなぁという疑問はありますが、霊媒師やら精神科医やら、興味深いキャラが登場してきたので、先が楽しみになりました。
『綺羅の棺』 失踪したタイのシルク王をモチーフにした話で、今度は前作よりも建築物を絡めてるところがすごいです。シルク王…、オチがちょっと辛い; 自業自得なんですが、相当虚しい話でした。 『Angels−天使たちの長い夜−』 蒼の高校で起きた事件の話。舞台が学校で、この閉鎖感はあるのかと、ちょっと疑問も残りました。解決後も思惑が二転三転するので、最後まで気が抜けない話でした。
『Ave Maria』 蒼の兄弟が現れて、驚きの展開でした。「原罪の庭」の続編といってもいい話だったので、「原罪の庭」を読み返さないと、ちょっと話がわかりずらかったです。ストーカー学生の存在が最後まで引っ張られて怖かったです。
『回転木馬』柴田よしき シリーズ3冊目で、ようやく失踪した夫が見つかりました。失踪の理由はちょっとありがちでしたが、その後の展開がちょっとだけ重かった。最後は、まぁ惚気が入っていた分、ほっとしました。 途中、道連れとなった女性の境遇がハンパなく重くて、そこで中途半端に止めない唯に好感が持てました。
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