北森鴻をもっと読んでみたくなって、初期の作品から漁ってみました。
『狂乱廿四季』 これがデビュー作なんですよね。歌舞伎の世界にミステリーを合わせた話で、面白かったです。 澤村田之助は、皆川博子さんの書いたものを読んだことがあったのですが(その本が参考文献に載ってて、北森鴻にますます親近感が沸きました)、誰が書いても可愛らしい。 やんちゃでわがままで天才で、何をしても許されて、この人のためなら何でもしてあげたいっていう人がたくさんいるスター。 今の時代にはいませんよね。
『狐罠』 那智シリーズにも顔を出している、旗師-陶子の最初の話。 新米の旗師として活躍中の話で、今後の展開(那智シリーズ)を知ってる分だけ、はらはらしながら読んでました。殺人事件に巻き込まれてますが、骨董の話がぎゅうぎゅうに詰まっていて、最後には殺人事件がすっかり色あせてました。 骨董の世界って、自分の力だけが頼りで、人もモノも信じられないんじゃないかと思うんですが(鑑定書ですら、怪しいんですから;)…そんな世界で生きていこうとする陶子がとっても逞しい。 佳境に入ってからの硝子とのやりとりが、読んでいて面白かったです。いい女の周りにはいい女が集まるんですよね。
『写楽考』 那智シリーズの最新作。由美子と高杉(狐目の教務担当の本名がようやく判明)はすっかりレギュラー入りして、事件はいつも4人で解くことになってます。 …それどころか、那智は弟子に後始末を背負わせて好きなフィールドワークしに出かけちゃってるんですけど; さすが那智、唯我独尊; そんな那智曰く「古物商はたった一人しか信用していない」と言わせている陶子も登場して、表題作はとっても華やかな話でした。内容は重いんですけどね。被害者の姪も一筋縄ではいかないタイプで、女の戦いが勃発してました。由美子は若い分だけまだ未熟で、焦っているのが可愛かった。 そして、ますますミクニの存在が希薄に……。でも、ミクニは那智に可愛がられてるから(笑)きっと本人にとってはありがた迷惑…それも半々かな;
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