2003年07月04日(金) |
さよならを言うことは |
一昨日書いた村上春樹の文章を載せておこう。
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私見を述べさせてもらうなら、 人は「さよなら」を言った直後には実はあまり死なないものだ。 僕らが本当に少し死ぬのは、自分が「さよなら」を言ったという事実に、 身体の真ん中で直面したときだ。 別れを告げたものの重みを、自分自身のこととして実感したとき。 でもだいたいの場合、そこに行きつくまでには、 あたりをひとまわりする時間が必要になる。
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新潮文庫「村上ラヂオ」より。 大橋歩さんの版画も素敵。
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