CYMA’S MURMUR

2002年07月04日(木)   鉄壁の守り

ちょっと仕事が落ち着いた途端、体調不良。

早く帰ろうっと、19時という退社時刻に感動しながら帰途へ。

駅のホームに立った途端に元気が湧いてきたので、
進路を家ではなくデパートへ変更。
サマーバーゲンを堪能してようやく家の最寄の駅についたのが21時20分。
悲劇はそこからだった。

鍵がない!
キーケースごとない!

一瞬で事態を理解した脳が、パニックでどうにかなりそう。
バーゲンに行った私が悪かったの?これは罰?

はやる心を抑えて家まで急ぎ、
家のドアの前でカバンの中身を全て点検。

やっぱりない!

血の気が引いていく。

鍵は先月大家の意向で取り替えられたばかりなのだ。
私が2月に引っ越したときにも取り替えたはずだから、
うちは替えなくてもいいですよ、と軽く主張してみたが却下されたのだ。
取り替える前の鍵は、高い金を払って合鍵を作製済みだった。
新しい鍵にはまだ合鍵を作っていない。
OH MY GOD!

諦めて錠前屋さんを呼ぶ。

夜道で鍵屋の到着を待つ間、別れた彼が鍵をなくしたときのことを思い出していた。
同棲前で、デートして二人でタクシー帰宅した日だった。
あの時やっぱり業者に依頼して、2万円近く取られてたんだよなあ。
あっという間に開いたって言ってたよなあ。
彼が鍵をなくしちゃったから、私がもらってた合鍵を一旦返したんだよね。
あれ、でも、こないだまで私のところにその合鍵あったな。
もう一回もらったんだっけ?記憶がないや・・・・

電話での予告通り、業者は10分でやってきた。
スーパーマリオのようなルックスのおじさんだった。

「あ~EC錠か、こりゃ難しいわ」

その第一声に呪われたかのごとく、
何をしても我が家のドアは開かなかった。

<1.ドアの隙間から針金方式>
隙間がほとんどない上に、ドアガードが邪魔をして上手くいかない。
この手段は呆気なく放棄。

<2.ベランダのクレセント錠に挑戦>
「案外ベランダの方が開くかもしれないね」と適当な予想の元に、
がたがた窓ガラスをゆさぶるが、あと一歩のところで開錠失敗。

<3.ドアの魚眼レンズ経由で>
魚眼レンズをはずし、そこから差し込んだ棒で開錠を狙う。

マリオおやじは、
「もうすぐEC錠を開ける機械が発売されるのよ。6万円」

などとどうでもいい情報を私に提供しつつ、作業を続ける。

「おかしいなあ。これで開くはずなのよね」
「開くと思うんだけどなあ。開けば売れるよね」

どうも魚眼レンズから鍵を狙う道具は彼のオリジナルらしい。
「1セット4万円で売るとさ、全国に10万人は鍵屋いるからね、いいでしょ」

うちの鍵も開けられないのに4万円なんかで売れるわけないだろ!!

苦闘1時間半。結局シリンダー錠を壊す以外方法がないという結論に達する。

私は疲れた身体をもてあましながらも、
鉄壁の守りが証明された我が家の堅牢さがちょっと嬉しかったりして。

6,000円お支払いして、マリオおじさんとはお別れ。

神様、一体私どんな悪いことしましたか?
これは何の罰なのでしょうか?
あまりの境遇に打ちひしがれながら、一晩の宿を求めて実家に向かう

P.S.駅に落し物が届いていました。神に感謝。





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