2005年アメリカ 監督 ジェームズ・マーシュ キャスト ガエル・ガルシア・ベルナル ウィリアム・ハート ペル・ジェームズ ローラ・ハリング ポール・ダノ
牧師として人々の信頼も厚く、妻と二人の子どもと平和に暮らしている男の元にある日現れた一人の青年。 若かりし頃、金で買った女性との間に出来た・・・その青年エルヴィスの出現は牧師にとって厄災以外の何物でもなかった・・、冷たく突き放す父親の態度にエルヴィスの取った行動は・・。
会いたいと訪ねた父親から受けた冷たい拒絶への復讐?自分を腹違いの兄とは知らない義妹を誘惑するエルヴィス・・。 でも・・なんだろう・・不思議なのはエルヴィスの目に父親への怒りや復讐のパワーが見えなかったこと。淡々と罪を重ねてゆく・・彼の瞳に何が写り、どう思っていたのか、それが掴み取れないのが・・よけいに怖いんですよね。 あんなに酷いことを重ねてゆく・・しかも罪の意識を感じていないかのように・・。そんなエルヴィスなのに嫌悪感よりも・・彼の行動から目が離せない・・こんな気持ちを覚えるのはガエル君だからでしょうか・・。 時折無邪気とも思えるような彼の笑顔になんだかつられてしまったりして・・さすがにガエル君、魅せてくれるんですよね。 義理の妹を誘惑するシーンにはドキドキしましたわ〜、このイケナイ男についていっちゃダメよぉ〜!!と思いつつも・・絶対ガエル君の魅力には逆らえないわ・・って分かってるもの(汗)
父親役のウィリアム・ハート。ちょっと私の中の牧師さんとは違うモミアゲ付きだったりするんですけど彼がまた独特の存在感を発していました。 神に許しを請いながら・・人々の前で過去の過ちを発表する・・。この感動的とも思えるシーンのなんて苦々しいこと。宗教的な考えや教えをほとんど理解していない私には、こんなことの前にエルヴィスや家族と話し合い、許しあうことの方が大事だと思うけど。 だけどこの時のエルヴィスの嬉しそうな顔は・・んん〜〜、なんとも言えないですよね。
罪を認め懺悔すれば・・許される。 どこまで?それはどんな罪でも?罪に罪を重ねた「王様」の汚れた手も? ラストシーン、静かに牧師の前に立つエルヴィスの姿は衝撃的でしたね。 そして教会の宣伝掲示板(ああいうの、あるんですね)・・印象的でした。
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