2005年アメリカ 監督 マイク・ミルズ キャスト ルー・プッチ キアヌ・リーブス ティルダ・スウィントン ヴィンセント・ドノフリオ ヴィンス・ヴォーン ケリ・ガーナー
「おいおいーー!!これのどこかサッカーの映画なんやーー」 HDの中に入れてたら、だんな様が再生したらしい・・。いやいや・・違うんよ。 「サムサッキング(親指を吸うクセ)」のことでございます。
ジャスティンの悩みは、17歳になっても親指を吸うクセがやめられないこと。そして繊細で情緒不安定ぎみな彼を巡り家族の間もどこかぎくしゃく・・。 ある日、通っている歯科医師から親指しゃぶりを直すために催眠術をかけられたジャスティンだが・・。
指しゃぶりをする・・ジャスティン。演じるのはルー・プッチ。私のひいきのスケート選手ジョニー・ウィアー君にちょっと似てる、繊細な外見がとっても好みの青年です。彼がやると・・指しゃぶりも可愛いんですけど・・(ダメ?笑) でも指しゃぶり自体よりも問題なのは、そのことにすっごく嫌悪を覚えている彼の気持ちですよね・・。自分を変えたい・・そう悩む彼に周りの大人たちが与えたアドバイス・・。 なんだかどんどん・・ジャスティンは危ない方に進んでいるような気がして・・心配でしたよ。 歯科医師(キアヌ・リーブスが素敵!!)の守護霊の話は私的には結構好きなんだけど(笑)ADHD用のあの薬とか・・果ては麻薬にまで!! どうなるのかと思いましたね。 自分は病気なんだ・・だから薬を飲めば大丈夫!!彼のそんな気持ちが痛々しくてお母さんも許しちゃったんでしょうか・・。確かに自信を取り戻して弁論クラブのリーダとして華々しい活躍をするようになったジャスティンの姿は嬉しいものなんだろうけど・・。どうなることかと思ってドキドキ。
ここでは、ジャスティンもそうだけどまわりの大人たちもみんな、どこか不安でいろいろ思うことがあって・・。揺れ動いている、そんな印象でしたね。 パパも怪我でフットボールの選手になれなかったという、挫折感に今でもさいなまれているし、ママもジャスティンを理解しきれない自分に悩んでる。クラブの先生もそうだし、歯科医師も。 若いジャスティンの悩みもだけど、私としてはむしろ年齢の近い大人たちの悩みに・・なんだか自分の立場を重ねて見てしまいましたね。どんなに年齢を重ねても人生って不安で、自分というものをどうしたらいいのか、きっとみんな分からないものじゃないかしらって・・共感を覚えました。
だからこそ、ラストシーン。本来の自分を受け容れようと・・生き生きとニューヨークの街を歩いていくジャスティンの姿が嬉しいし 「大切なのは、答えのない人生を生き抜く力だ」 この言葉がとても響くんですよね。 自分が正解だなんて思わないこと、答えばかりを求めないこと。肩の力を少し抜いて自然体で歩いていこう・・ほっとするような、でも力の溢れるメッセージですよね。
この言葉を語ってくれた歯科医師役のキアヌ・リーブス、素敵です。こんな歯科医師さんのところに通いたい(あ、でも口を開けたまぬけな顔は見せたくない・・笑) 主役のルー・プッチの魅力も大きいですね。そして彼のまわりの家族を演じた人々も。ママ役のティルダは、ジャスティン(ルー)と面立ちが似てて二人はすごく親子って感じでした。 弟役の少年の言葉「お兄ちゃんのことでみんなが悩むから、僕はしっかりしていないといけなかったんだ」 この言葉にもはっとするものがありました。
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