1947年フランス 監督 クロード・オータン=ララ キャスト ジェラール・フィリップ ミシュリーヌ・プレール ジャン・ヴァラス ジャン・ドビュクール ドニーズ・グレイ ガブリエル・フォンタン シルヴィー ジャック・タチ
ず〜〜っと以前に一度見た作品、あぁ・・でもこんなお話だったんだ・・。 以前見た時はフランソワの若さ、優柔不断さが歯がゆくて、悔しくて。 でも年月は過ぎ・・私も熟女(歳だけはすっかり熟したわ 笑)になったのかしら? 彼の若さ、未熟さがなんだかとてもいとおしく思えてしかたなかった。
自分の感情のまま、ぶつけてくる恋情、不安定な気持ち。 背伸びしてみせたり、でも子どものように(こどもなんですけど)すねてみせたり。父親の言うことに説得される部分や、逆にマルトをリードしようとしてみたり。 大人びた表情と、ビックリするほど子どもっぽい顔と。 ジェラール・フィリップのみせるいろいろな表情に魅せられちゃいましたよ〜。 この作品を演じた時は23?24?歳くらいだったのかしら?でも10代の少年の幼くてどんどん変わってゆく表情を見事にみせてくれました。
印象的なシーンもすごくたくさんあって。 初めてのデートでフランソワが渡した花束が(マルトの母の手で)捨てられるシーンや オリーブの木を燃やす暖炉の火(この火は、いろんなシーンで印象的に使われていましたよね)、フランソワが選んだベッド・・。(なかなかに意味深だわ・・)
フランソワのちょっとした迷いから、マルトの夫に全てを打ち明けることを躊躇してしまうシーンがありましたね。 桟橋で待ち合わせしていたのにフランソワがためらっているのを知り、失望を覚えながらも彼に「愛してる?」と聞くマルト。 逆に、フランソワとの愛に疲れ、離れていこうとするマルトにフランソワが「愛してる?」と尋ねるシーンもあって。 このそれぞれの別れのシーンの「愛してる?」・・に思わず唸ってしまいました、私。 こういうみせ方って、粋というか、切ないほどにお洒落ですよね。
フランソワを子ども・・と言いながら「私を抱く時は大人なのに・・」と呟くマルトの台詞にドキッとさせられたり、 マルトの夫に打ち明ける・・と男気を見せながら、実はものすごく不安でたまらなかったんでしょう、お水を一気に何杯も飲み干すフランソワの姿もとても印象的でした。
まだ若い、若すぎるフランソワの、揺れ動く気持ちに振り回されながらも、彼に対する気持ちを抑えられない年上の女性マルト。 (膝枕ですもん!フランソワ〜) 以前見た時には考えてもみなかった彼女の思いや苦しみも今回とっても感じました。
ラディケの原作も学生時代に読んだきり・・。こちらも再読してみようかなと思います。
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