「…にしても、落城しなくて本当によかったですね」 「はい…。」
言葉を濁してしまう理由は? 考えない。 今はまだ考えない。
ウマリの落城の時…私はそこにいなかったけれど…ムロマチから派遣された領主の方が良い方で、ノリが良くて(つまりはウマリにピッタリ)、国内が荒れることもなかったらしい。 ウマリに開戦したムロの国王は、ウマリが欲しいわけじゃなくて「落ちたのを見られて満足」だったそうで、それはそれでちょっと悔しいけど。 そういえば、この人って国王の座を追われてからどこへ行ったのかな?
コリアスの時は、これは事情がまた別で…国同士の戦争ではなかったし、呪竜だし、誤爆だし、神様は混乱中だし…何処かの国に落とされたというのとは全然違うから。
今度のエデンからの侵攻は全然違っていて、これで落ちていたら国内荒れただろうなあって。
悪いことって悪いことだけじゃなくて、良いことも運んで来たりするんだよね。 私はベルヌに入ってまだ一週間に満たないけど、いろんな話を見て・聞いて開戦されるに至るまでの状況とか、朧気ながらに分かってきて…。 こんなことあったからこそ、上手くいってなかったことがスムーズに運ぶってこともあるよね。
大変な時、辛い時、それに負けちゃったら経験できない喜び…もあるよね。
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