◆少女の赤いぼうし(マスタード風味)...小林 明香

 

 

飛行場でキス。 - 2004年05月02日(日)

飛行機を間近で見れるところへは出れなかったけれど
こっそり キスした。
ふたりのキスの数は数え切れないけれどやっぱりドキドキしてしまう。
軽いキスは 始まったばかりの恋の味がする。
涙が出る。

羽田へ向う飛行機に乗る彼。
あたしは伊丹に取り残されて関空までバスに揺られる。

おおう。
80分。彼が羽田へ着くのと私が関空に着くのがおよそ同じくらいだった。
なんだか
近いようで遠い。
飛行機がない時は
すぐになんて 逢いにいけないから。


おかあさんが「住む場所はどうするの?」
子どもが生まれるまでに家を決めなきゃいけないと
言ってくる。
子どもが生まれたら
あたしはどこへいけばいいんだろう。
この家にいるわけにいかない。
ワンルームのアパートに住もうか。

先のことを考えたくないけど
母子手帳が3週間後を指差して 
あたしの運命はまるで決められているようで不快。
「なんだってできる」
もう そんな お年頃じゃないんだ。
涙が出る。


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