◆少女の赤いぼうし(マスタード風味)...小林 明香

 

 

“ i am Cinderella ”の世界へ - 2003年10月18日(土)


 あたしを導いてくれる人が居なくなったら?

高校を卒業したのに仕事もないあたしは、
自分のココロを暗闇に閉じ込めることに明け暮れていた。
遅れを取り戻せない自分を恨んで、何度も眼を閉じて息を止めてみた
けれど、そんなことしても、やはりあたしはこの世に執着している。
 シンデレラのように、綺麗な心も綺麗な肌も持ち得ないあたしが。
耳が聞こえて眼が見えてジャスミンティーの匂いを嗅げて、
文字を書く指さえあって。全く。申し訳ない気がしてくる。

 そういえば今日は、
何ヶ月ぶりかの友達と遊んだ。実は、
遊ぶヒニチを間違っていて、明日だと勘違いしていた…。(こんなことがよくある)
ごめんなさい。

友達の中身が厭な感じに変わっていなくて良かった。
一体、あたしの中身はどうなのだろうか。

     ボタンを押すと、答えが出ます。御酢も押さぬもご勝手に。
東京へ着て行こうと思っていた
アナタがあたしにくれたブランド物のセーターとスカートとブーツを
身に纏い、温かさを知った。

 ちょうど一年前、
従姉妹の家族と行った場所と同じ場所へ、一昨日、
アナタと行ったのを思い出す。
あたしは本当に幸せだと、そう感じる。
今ここに命が在ったかどうかも判らないのに、
こんなに温かい場所へ来ることができて。

 余裕だけじゃなくって、
アナタがあたしに与えてくれるもの全てを、
腕に刻み込みたい気持ちになる。
人を愛するのには精神力を使うのに、アナタはあたしを愛してくれる。

人が自分から離れていく恐怖や疑念は
そう簡単には治まらないだろう。
でも、この時間が
あしたへ繋がっていくことを知ったあたしは、
生きていく自信はある。




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