◆少女の赤いぼうし(マスタード風味)...小林 明香

 

 

教室にある時計 - 2002年11月13日(水)

 大きくて、毎日みんなを見下ろす、時計。
昨日だったかな。チャイムが鳴って、保健室から教室に帰ろうとしたとき、
廊下で、先生に電池を渡されたの。
何処にでもあるような単三電池。
右手にタイセツに、握り締めた。


教室の時計、最近調子が悪いから。変だったら変えといて。


 そんな感じでした。あたしは笑顔で、答えて。
教室に帰って、次の休み時間、電池を換えることにした。
授業中、時計を何回も見上げた。
何回見ても、遅れてはいないし、早くなってもいない。
 チャイムが鳴って、休み時間に。
椅子に上るのが恐かったから
一緒に喋っている子に、椅子に乗ってもらって、時計を外してもらった。
ありがとう。
大きな時計を、あたしの机の上において、
電池の部分を開けると。


あら・・。電池が違うやん!!!


丸い銀色の電池でした。3Vは一緒だったけれど。単三電池は入りそうも在りません。。
電池をチョットの間外してしまったので、正確な時間が判らなくなりました。
ケータイの時計で合わせてみた。しかしながら、なんだか速いのです。。
そうだ、あたしの周りにある時計は全部5分くらい早くなってるんだ。
部屋には、3時間くらい速い時計もあるけれど。
あたしは、することが遅いので、遅刻しないように、わざと早めているのです。
と、かっこいいこと言ってみたりするけれど、遅刻魔(>_<。
特別扱いらしく、何度遅刻しても、遅刻指導はありません。。
見捨てられているのかな。。。

電池を再び戻すまでに、その銀色の電池に書いてある記号をメモして、
そうして、職員室に、単三電池とメモを持って行きました。
先生は、「さんきゅ」と言いました。あたしは、にこりと微笑みました。







土曜日、劇を観に行ったときに一緒に行った人に言われたのだけれども、
(あたし、染めてないのに髪の毛がとても茶色いんですが)
『受験シーズンやのに、その色、注意されへんの?』
って訊かれて、
「今まで茶色だった他の子は、注意されて黒くしてるけど、あたしは、注意されないんです。」
と言ったら、
『ああ、見捨てられてるんやで、それ。』




そのときは、笑って終わらせました。あたしは明るいことになっているので。
あたし、「見捨てられる」という言葉がこの世で一番嫌いです。
土曜日の事を、未だに覚えているんです。
その言葉。無くしてもらえませんか。

本当に、見捨てられてるんでしょうか。


投票ぼたん。続きに期待は注文しないで。


我侭だから?手を切るから?薬を飲むから?みんな、あたしのこと、怖いの?

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 もう、なんにも考えたくない。 もう、疲れたの。
頭の中は黒一色。ヒカリなんか、射さない。
自殺願望。
自虐癖。
眼がまわり、早鐘を打つ心臓。
眼の前の広場を行きかう人々。
あたしの眼は、焦点が焦点が合わないでいる。
疲れて、寝てもどうせ15時間も寝てるなら そのまま起きないほうがマシ。
星の川の、アナタとあたしを繋ぐキザハシが壊れた今は、逢うことも叶わない。
あたしは歯車でしかない。代わりなんて幾らでも居る。
ねぇ、あたしを休ませて。
電池を抜いて針をとめて頂戴。


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