◆少女の赤いぼうし(マスタード風味)...小林 明香

 

 

先生、ありがとう。 - 2002年10月17日(木)



赤い紅葉色した秋の風に、ついアナタに抱かれたいと囁く。
聴こえるか聴こえないかの 小さな声で。
叶わない願いなのだと改めて知る。

胸が熱い アナタを愛す。
目を閉じて アナタを想う。

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明日から、いよいよ実感全くナシの中間テストが始まります。
アタシ、学校にあまり行ってなくて、ノォトもまともにとってなくて。
今日、今週初めての登校。ずっと月曜日から休んでたの。
明日はテストなので四時間授業。

 友達って呼べた人にも、なんだか今日だけでは埋められないような距離を感じてしまって。
ノォトを借りようと思っていた自分だったけれど、みんなが頑張って勉強してるトコ見ちゃったら、ひとつも勉強していない自分が他人様のノォトを借りるなんて、そんな申し訳ないことは出来ないと。そう思って、

教室についた頃はちゃんと喋れた。なのに
先生を目の前にして、周りの時間がアタシよりも早く進んでるような気がして、涙を流さずには居れませんでした。
先生が前に居ても、アタシはお構い無しに声を殺して泣いていました。
11月22日に実力テストもあるらしかった。


一時間目の化学の時間。
自習。
机の上に何も出さず、アタシはそのまま、自分の席で泣き続けた。
涙がいっぱい。
朝ごはん食べなかったから、水分不足になっちゃいそうで。
アタシの斜め横の席の男の子や後ろの席の男の子は、肩をとんとん叩いたりしてくれて心配してくれてたけれど、
首を横に振るだけで何も答える事が出来なかった。
結局、化学の授業は、ずっと泣きっぱなし。
お蔭で今でも目が腫れて、一重で、ぶちゃいくだ。

チャイムが鳴ると、トイレに行って吐き出した。
何も食べてないのに気分が悪くなってたから。
人目をはばかる様に、下を向いて歩く。
長い廊下を歩き、ママの居る応接室に着く。

アタシ、まだ泣き足りなかったのだろうか。
ママの居る前でさえ泣いてしまった。


       トントン。
 
   誰か来た。

            「失礼します」



先生の声だ。

先生は、泣いているアタシの横に坐って、また、、いつものような優しい声で話す。

            「アカ、なんで泣いてるンや。」



考えがまとまらなくて、言葉に出ない。
そのうち、カタコトで、話せるようにはなったけど。

ママは、アタシが泣いている理由はノォトを借りれないからだと言ってた。
先生はそれを承知して、
「先生が誰かに借りてコピィして持っていてあげる」
そんな、なんとも優しい言葉をくれた。
先生は、誰にでも優しい。だから、誰にでも好かれる。
先生を嫌いな人なんて、どこにも居ないんじゃないかと思う。

一時間ほど、先生は、ずっとあの部屋に居てくれた。
授業が入ってなかったから。


先生、どうも、ありがとう。






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今日は一時間だけ受けて、早退。

先生は、一時半から会議だったので、
ママのお車に乗せられて、二時半ごろに職員室に取りに行きました。
テスト前、職員室に入っちゃダメなの忘れてて、嫌いな教師に追い出されたアタシ。
教頭先生が駆けつけてくれて、封筒を渡してくれた。
その代わりに、アタシは、手紙を渡してくれるように、お昼に書いた差し出した。

教頭先生とは割とフレンドリィになってしまったので、仲がいい。
他の先生たちも、声を掛けてくれる。
でもこんなのアタシは望んでなんかいない。







先生、今日は本当にありがとう。
ごくろうさま。
生徒に借りるの、先生なら苦労しないって思ってたけど、アタシが居なければ、そんなことする必要もないのに、本当にごめんなさい。
あんなにコピィするの時間かかったでしょう。ごめんね
アタシのために、ありがとう。

できるだけ、あなたの言ったように「適当に」頑張りすぎずに勉強します。


ここに書いても届かないことは判ってる。
でも、書く事に意味があるような気がして。

お手紙、読んだ?
お返事は、いらないよ。



二学期になって、まだ一週間続けて登校したことない明香です。
実質、あまり、学校に行かず、家でパソコンに向かっています。
プチひきこもり野郎です。
昨日の夜、父に電話線を切られましたので、パソコンが使えませんでした。
異常にショックに陥りました。
そういうわけで、ケータイから自分の掲示板を荒らしたりもするわけです。アホでスミマセン。
勿論、夜中のアタシの戯言は、総て削除。

今日は、学校へ行ったから、日記が長くなりました。
最後まで読んでくれてありがとうね。
またね。


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