あんまりにもやもや、くやしくて、やりきれないので、 店主に 「縛って・・・」 と哀願した。
狭い狭い事務所で、がんじがらめに縛られていくあたし。 縛りの型もなにもなく、ただただがんじがらめに。 縄があたしにかけられるたびに「和泉」がここにいるのが感じられる。 スゴク切なく、甘美なものが背筋を通り抜ける。 縄がかけられただけ−−それだけなのに吐息が漏れる。 どこにいったらいいのかわからない、どこかに行ってしまいそうな恐怖から 開放される瞬間。 酷い事なのかも知れない。 でも、なによりも誰よりもどんな言葉やキスやハグよりも優しい。 あたしにも、あたしがどうなってしまうのか解らないから縛ってもらう。
カメラの液晶のあたしは、すごく幸せそうな顔をしている。 はやく貴方と一つになりたい、そう願って。 手の指さえも自由が奪われて。 それで初めて幸せを感じる。
挿入されたとき、もしも縄が無かったら あたしは暴れていたかもしれない。 もはや喘ぎ声とは思えない、獣のような叫び声を上げて ペニスを受け入れる。
嬉しくて、涙が自然と出てきた。 愛されてるのを感じると、いつも泣いてしまう。
毒をもって毒を征す。 毒は、使いようによっては薬にもなる。 毒を薄めたものを皆、薬として使っている。 あまりに一方通行な性欲は鋭利な刃物となって、他人を傷つける。
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