2014年01月20日(月) |
よくわかる公職選挙法講座 |
公職選挙法は、本当に判りにくい法律である。今回の都知事選挙でも多くの方がボランテイアとして活動をして下さるだろう。そんな方々のために、知ったかぶり犬伏の公職選挙法講座を。
選挙が始まるまでは、あくまで政治活動しかできない。選挙活動と政治活動は何が違うのか。投票依頼ができないのが政治活動、投票依頼ができるのが選挙活動、というのが一番わかりやすいと思う。以下、私が都知事に立候補したとの仮定で例示する。(もし本当に立候補すると、このページは違反文章となる)
違反の例(告示日前)
いぬぶし秀一君を都知事にするために、ぜひとも投票してください。
ギリギリセーフの例
いぬぶし秀一君が都政の改革のためにたちあがりました。どうか、首都東京のため、ご支援ください。
事前運動かどうかの、大まかな指標は以下の3点がセットになっているかどうかである。
「選挙を特定し」「特定の候補者へ」「投票を依頼する」ことが文書や、演説で喋られると、事前運動となり選挙違反に問われる可能性が高いのだ。これは、選挙に関わっているか否かを問わない。ぜひとも、ボランテイアの皆さまには気をつけていただきたい。
また、特に注意が必要なものは、運動員買収である。選挙中、運動員に日塔を払うと「買収」になってしまうのだ。ええええ、と思われるかもしれないが、選挙運動は無償が原則なのだ。
ただし例外は、車上運動員と呼ばれる「ウグイスさん」は例外だ。1日15000円迄は報酬を払うことができる。また、運転手さんも、同様に報酬を払うことができる。
ポスター貼りやハガキのあて名書き等の「単純労務」は、報酬を支払うことが出来る。ただし、事前に選挙管理委員会(又は中央選挙会)に届け出が必要である。怖いのは、ハガキ書きのアルバイトが、たまたま、街頭演説を見に行って、人手が足りないので、チラシを配布して「お願いします」とやるケースだ。これも「運動員買収」となる。
さらにややっこしいのが、確認団体という制度である。これは知事や市長、国会議員選挙などで、候補者を推薦又は、候補者が所属する政治団体で、選挙管理委員会に届けた団体で、都知事選挙では、候補者とは別に1台の宣伝カーを使用することが出来、ビラ2種類を枚数無制限に配布でkるというメリットがある。
ただ、確認団体の宣伝カーでは「選挙活動」ができないのだ。所謂「政治活動」に限定される。タスキを着用して確認団体の宣伝カーに乗っている候補を見かけるが、あれは違反行為だ。
また、ビラにも違いがあり、判りにくい。都知事選挙では、候補者本人のビラ(A4)30万枚が配布できる。さらに確認団体も無制限に配布が出来るのだが、配布方法が違う。本人のビラは選挙管理委員会の証紙を貼り、演説会場内か、街頭演説周辺で「運動員」腕章をしている人しか配布できないのに、くらべ、確認団体ビラは、誰でも、何処でも、どのような方法でも配布できる。
が、確認団体ビラには「候補者の氏名を類推できる事項、イラスト、写真」は記載できないし、ビラは事前に届け出た種類だけ、という制限がある。たとえば、私が都知事選挙に出るとする。本人ビラには「都知事には犬伏秀一を」と書けるのだが、確認団体ビラには書けない。書くとしたら「東京都知事には、予備自衛官を経験した前大田区議会議員を!」と、個人を特定できない(十分特定できると思うが…)内容にする必要がある。
枚数無制限、という段階で「お金をかけない選挙」と求める公職選挙法の立法趣旨に反すると思うのだが…
|