いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2013年06月28日(金) 一人のドジが企業イメージを潰す!HISの場合

 狭いエコノミークラスに閉じ込められ、織のニワトリのように、ジュース飲め、水飲め、食事しろ、軽食だ!と機内サービスならぬ機内強制を受け、朝7時半にデンパサール国際空港に到着した。

 インドネシアは、到着ビザ(VOA)という入国制度を取っていて、到着ロビーにある銀行カウンターで一人US25ドルを払って領収書と証紙を購入。次のカウンターで入国審査官に提出するとパスポートに証紙を貼ってくれてビザとなるのだが、まあ、体のいい外貨稼ぎにしか思えない。なぜなら、入国ビザはドル建て、出国税はインドネシアルピアしか受け付けないのだから。入国でドルを稼ぎ、出国では外貨を持ちださせない、という実にわかりやすい政策である。

 本日から2班に分かれての社員研修が始まる。到着後「コーデイネーター」の最初の仕事は、手配内容が予約通りかどうかの確認だ。今回の現地代理店は、JTBを超える勢いのH.I.Sバリ支店。かっては、海外の空港に降り立つとJTBの旗と制服で溢れていたが、デンパサール空港の出口ではJTBの社員は2名、近畿日本ツーリスト1名、HIS10名、と選手交代が明白だった。

 さて手配は大丈夫か?ダメじゃん。社長の部屋を「ランクアップ」するようにリクエストしていたが、現地に通じていないのだ。すぐするように、と現地に電話で依頼。東京で依頼したスタッフに国際電話をすると「忘れていた」というではないか。

 どんなに大きな会社でも、組織としてのチェックが及ばない個人のドジはなんともしがたいものがある。10年以上前にボストンに出かけた時、1時間まっても送迎バスが来ないことがあった。JTBの新米添乗員は「会社を信じて」待つというが、私の経験から「手配していない」と忠告をしタクシーに分乗してホテルに向かったことがある。到着後、再確認させたところ「手配ミス」が発覚した。大手でもそんなものである。

 昼間の日程をこなし、夕食を食べる前にHIS現地支店に電話を入れ、どうなったかを確認すると「満室で手配できない」との回答。ふざけるな!ではホテルに怒鳴りこむ、と言って電話を切った。「満室、オーバーブキング、航空会社に調整してもらっている」等は、使えない旅行会社の常套句であることは永年の経験でわかっている。

 旅行会社が使えない時は「元」と交渉するのが一番。それも、海外の場合はわざと声を荒げて「冗談じゃない!どうしてくれるのか!」と、やるのが効果的である。さっそく、高級ホテルのフロントで「ふざけるな」とやりはじめた。寝耳に水のフロントマネージャーはHISからは何の連絡もないことを教えてくれ、さっそくパソコンに向かい、3ランク上の部屋を確保してくれた。

 その後、HISの手配担当者から「なんだ、かんだ」と出来なかった理由の電話があったが、お役人じゃないのだから「理由」を言うんじゃない。結果がすべてだよ!

 急成長した会社は、社員の資質が社業に追い付いていかないのかもしれない、頑張れ澤田秀雄さん、ハウステンボスもいいが、本業回帰が必要ですぞ。

 本を忘れず、末を乱さず

 


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