2012年04月28日(土) |
南スーダンPKO便り |
愚息が南スーダンPKOに派遣されていることは以前書いた。木曜日には、衛星電話を使って、現地の状況を本人から報告があった。以下、息子から得た現地事情だ。
南スーダンは今雨季で、日本の台風以上の、凄まじい雨が降る。雨がやむと、気温は50度になる。
いまだ、テント暮らしだが、最近のテントはたいしたもので、スーダンの雨季にも耐えている。
道路は、ほとんど舗装されておらず(舗装は全土で60km)、雨が降るとぬかるんで車が使えなくなる。
治安は日本とは比べようがないが、宿営地周辺は安定している。ただ、昼間から銃声はよく聞こえる。南スーダンの人々は武器を普通に持っているので、誕生日だ、結婚式だ、と銃を撃つので、戦闘なのか祝砲なのかわからない。ただ、危険な状態ではない。
そして本日、自宅のポストには「中央即応集団司令官」と書かれた封書が届いていた。息子が所属する部隊の司令官(陸将)からだ。
南スーダン派遣隊員の御家族の皆様へ
拝啓 春たけなわの今日この頃、南スーダン派遣隊員の御家族の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 まずもって、平素から自衛隊に対するご理解とご協力に対し、厚くお礼申しあげます。
さて、皆様すでにご承知のとおり、御家族の派遣先である南スーダンは、スーダンから平和裡に独立いたしましたが、先日も国境付近において武力衝突が発生する等何かとご心配をおかけしております。
私は、この度、南スーダン及びウガンダに展開する現地支援調製所と派遣部隊を訪問し、現地支援調整所長及び派遣施設隊長を始め、多くの隊員と懇談するとともに現地の状況を直接把握してまいりました。
注意を要するのは国境付近のごく限られた地域であり、宿営地付近を含め、派遣部隊が活動する地域の情勢は安定しておりました。どうぞご安心くkださい。
一方で、隊員は日中、50℃近くまで気温が上昇する等決して容易な環境下ではありませんが、ジュバ及びその周辺地域において、誕生間もない南スーダンの国づくりを支援すべく、道路の補修や排水路の整備といったインフラ整備のため、またウガンダにおいても南スーダンで活動する隊員を支援するため、文字通り汗まみれになりつつも元気に活躍しております。
これもひとえに御家族の皆様の献身的な支えがあってのことであり、司令官として深く感謝申し上げます。
任務終了・帰国までの間、御家族の皆様には今しばらくご苦労・ご心配をおかけしますが、どうか今後も引き続きご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
寒暖の差が厳しいこの季節、ご健康にはくれぐれもお気を付けください。
敬具 平成24年4月吉日
中央即応集団司令官 陸将 山本 洋
息子は、とてもいい指揮官に恵まれているようで安心した。この方の隷下で活動していれば、憂いはない。
無事、任務を全うして6月には元気に帰国して欲しいものだ。きっと、一回りも二回りも成長していることだろう。
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