いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2010年10月13日(水) 決算認定、賛成だか反対だか不明な我が討論

 たちあがれ日本の犬伏秀一は、ただいま上程されました平成21年度大田区一般会計歳入歳出決算および各特別会計歳入歳出決算を認定することに「止む無く」賛成をいたします。この際、気になることを意見として申し述べますので、自らの昇進よりも区民の利便向上に意欲ある管理職各位には、来年度予算策定の参考にしていただければ幸いであります。利権と退職金の額、次期区長選挙のみに高い関心をお持ちの方はどうぞ聞き流してください。

 平成21年度に限らず、松原政権に変わってからの予算執行の特徴は「理念なき陳情予算」と断言することが出来るでしょう。首長としての、または行政当局としての「ビジョン」が、区政を担当されてから3年半を経過しても、まったく見えてこないのです。「地域力」という名目で、擦り寄る区内団体には「意味不明」の補助金、助成金をバラまき、「国際化」の名のもとに、民間感覚からは到底信じられない高額での、区長や一部幹部職員の度重なる海外旅行、単なるイベント屋と化した羽田国際化記念事業等、到底、尋常な予算執行とは思えないのです。

 同様に、理念なき土地購入や、無意味な建物購入も問題です。松原政権に代わってからは、まるで松原不動産、と嫌味を言いたくなるように土地を購入しています。オリックス救済としかも思えない中央5丁目の土地購入、大田体育館隣接地では、地権者からの購入要請により、利用目的のない中古マンションを近隣築浅の価格で建物ごと購入し、即刻解体した事案では、その非常識ぶりに怒った区民から区長、両副区長、清水教育長、遠藤代表監査委員らが被告として東京地方裁判所に提訴されています。その裁判過程における責任逃れの大田区側の詭弁、醜態は、住民側をあきれさせています。
 
 さらには、その裁判の証拠調べで「既存不適格」つまり違法状態のマンションを高額で購入したことが、過日の決算特別委員会での同僚議員の質問で明らかになりましたが、理事者の答弁は、相変わらず他人事のような無責任きわまるものでありました。
 
 また、区役所内に空きスペースがない、との理由で、京急蒲田駅近くの賃貸ビルに交通事業本部を移し、さらには、本庁舎近隣マンション内に仲介業者も驚くほどの改装費用を税金で支出して、会議室を賃貸しました。

 ところが、区役所2階には、100坪の広さの好立地を月額29万円という超廉価で貸し出しているレストランがあります。蒲田駅前という好立地において、庁舎内に「職員食堂」としての名目で廉価な家賃でレストランを確保する意味はありません。貸すときは超格安で、借りる時は相手の言い値で借りることが、松原政権の「民間感覚」なのでしょうか。

 さらに、私の地元、雑色駅前の土地購入では「東京都の指導により」との理由で、民間所有の土地を、大田区職員の再就職先でもある、三セクの蒲田開発事業株式会社に購入させたことも問題です。土地開発公社での購入であれば免税になる、不動産取得税や固定資産税まで、蒲田開発事業株式会社に払わせ、それを税金で補填している意味がわかりません。「東京都の指導」という「言い訳の常套句」は東京都から出向していた課長が「そう信じていただけ」であったことが私の質問により明らかになりました。
 
 決算特別委員会における同僚議員からの質問に、資産活用担当課長は「当時担当ではなかったので知らない」と、まったく無責任な答弁をしています。最近では、蒲田開発事業株式会社の社長を秋山副区長から野田副区長に交代させ、取締役には、大田区の小沢幹事長こと森透総務担当部長を就任させ、さらには、東京都出身の管理職を蒲田開発事業株式会社に移籍させたのです。蒲田駅周辺、京急蒲田駅舎、羽田空港跡地等、大きな利権がこの会社周辺に蠢いていることを痛感させる様々な動向は、良識ある職員、区政に関心のある区民の不審を深めています。
 
 入札改革を公約にあげられ当選された松原区長でしたが、残念ながら談合の疑惑を払拭することはできませんでした。区立羽田中学校建設工事においては、事前に流れていた落札予定者、所謂チャンピオン以外の建設共同企業体が落札すると、その構成員の一員が「業界の掟を守る」ためなのか、契約辞退の申し出をする、という異常な事態が起き再入札を行う前代未聞の事件がありました。
 
 また、電子入札で行われた解体工事入札では、入札締め切り2分前に突如、経理管財課から中止の連絡があり、再度行われた入札では「落札予定業者(チャンピオン)」よりも低い額を入れたアウトサイダー2社が、最低落札金額以下という理由で失格となる不思議な事件もおきました。締め切り2分前に各社の落札額を知った区側と業界の結託、と疑われるような事案でした。
 
 区議会各定例会に上程される契約議案では、議会や議員をあざ笑うような、大田区予定価格の95%以上の高率なものが多く見受けられ、まったく入札改革の実があがっていないことを物語っています。今定例会に上程された5本の契約議案でも、3件が96%以上でうち1件は、大田区予定価格の99.50%という統計的にありえない高率でした。このような非常識な高率な落札率につき、相変わらず「適正な競争の結果」と、ご自身の想いとは違った答弁をせざるを得ない立場にある、野田副区長には、その心中をお察し申し上げ、同情を禁じ得ないのであります。
 
 さらに、本年11月2日に入札が行われる予定の区立羽田中学校解体工事では、すでに業界団体内では落札業者(チャンピオン)が決定されているとの情報もあります。ご要望があれば落札予定業者名をいつでも開示させていただきますが、どうせ業者を呼んで「談合はない」旨の宣誓書を書かせるだけでしょうから、これは他の公権力に委ねることにいたします。
 
 様々な疑惑をもたらした仮称大森北1丁目開発では、様々な地元有力者が大田区との関係からテナントとして周辺相場より安く入居を決めていた、との情報があります。特に、地元歯科医師会の有力歯科医師は、大田区との長年の協力関係からか、計画着手早々に破格の条件で分院を開設することが決定された、とウワサされております。
 
 はたして、松原区長のかかげた民間感覚とは、公の議会の議論以外の場所でコソコソと決定することを示されたのか、と疑ってしまいたくなる惨状であります。庁議は形式的で経営戦略会議では議事録も存在せず、一部執行部による独断専行が横行していることを物語っています。
情実人事、左遷人事の影響か、職員の綱紀の乱れも顕著です。大麻栽培の職員、窓口ネコババ係長、区民から預かった看護士免許などの個人情報を3回も紛失した職員等、定年を迎えた部長を服務監察担当にすえましたが、その成果は見えてきません。
 
 教育問題でもダッチロールが続いています。この定例会の最中、区立中学校の男子生徒が下校途中に傷害容疑で蒲田署に逮捕される、というショッキングな事件がありました。隣接校の生徒と一対一で決闘をし、負けたほうが訴えて発覚したそうです。傷害事件はどのような理由があろうとも正当化することは出来ないでしょうが、「正しい」ケンカも出来ない子供たちには、哀れみすら覚えてしまいます。現在、練馬少年鑑別所に収容されている彼の出所後の更生を支える学校、家庭、地域であって欲しいと強く望みます。
 
 反面、ある区立小学校では、姉との兄弟げんかでアザを作って登校した小学生に、学校長、スクールカウンセラー、こども家庭支援センターが過剰に反応し、即日、児童相談所に入所させ、なんと50日近く解放されなかったケースがありました。
 
 学校側が児童相談所に通告しなかったために起きる惨事の多さに、保護者への面談もせずに、学校が過剰な反応した結果、本来は守るべき児童の人権が長期にわたり不当に奪われてしまいました。
民主党売国政権の、尖閣諸島事件での対応に見られるように、いつのまにか我々日本人は、自己責任という言葉を忘れ、誰かの責任にする、という悪い癖を身につけてしまいました。
 
 過日の決算特別委員会では、資産活用担当課長が、たび重なる土地開発公社の疑惑についてその責任を追及した同僚議員の質問に「議会の議決を頂いている」と、議会の責任に言及されたことは、嫌味ではなく立派で正しいことでありました。
 
 我々議会は、首長の諮問機関や追認機関ではありません。ここで決定するのです。その決算特別委員会という重要な議会の最中、松原区長は2日間欠席をされました。1日はモノレール新駅竣工式、1日は地域安全運動区民の会、だそうであります。いずれも大切な趣旨を持った会合ですが、「議会がありますので」と副区長を代理出席させる判断がなぜ区議、都議を長くされた区長に出来なかったのでしょうか。残念です。
 
 このような区政の混乱に嫌気がさし、若き区議会議員湯本良太郎氏が自由民主党を離党して、区長選挙に挑む姿勢を明確にされました。また、一部、重鎮議員にもそのような動きがあるとされています。
先ほど、チリ、サンホセ鉱山から一人目の救出が無事終了したとの映像が世界 
 中に配信され多くの人々の感動をよんだのであります。地下700メートルの暗黒の地において33人の被害者を統率し、規律正しい生活を守り、はげましあい救出まで導いたのは、地下にいた一人のリーダーの存在だったそうです。 
 大田区政のリーダーたる区長にも、そのような姿が望まれるのであります。
区長と言う立場を自らの人生の劇場にするための候補者は、有権者を騙せても、共に働く職員や議会を騙すことは困難です。どうか、どなたが来年区長になろうとも、自らの人生を捨てでも区民のために必死に働く覚悟を持っていただきたいものであります。
 
 名古屋の河村市長が市議会解散運動の先頭にたっています。そのやり方はいささか乱暴で、大衆迎合の色合いの強いものでありますが、市長の住民税減税条例案などに、ただ反対だけする議会も情けないでしょう。反対する以上、議会としての対案を示さなければなりません。それこそが、立法府としての地方議会のあるべき姿でありましょう。
 
 さて、いよいよ来年4月には区長、区議会議員選挙が行われます。どうか、松原区長には、残された少ない任期のなか、ご自身の掲げられた公約を改めて精査され、「やっぱり民間出身区長」だ、と評価されるよう変身されることを願ってやみません。そして、我々区議会も、地域住民の皆さんの信託に応えられる議会、議員へと変わらねばなりません。
 
 最後に、蛇足ではありますが、今定例会終了後、18日より多くの国民が激怒している国、中国大連市に友好親善に税金を使って出発する自民、公明、民主の超党派の区議会議員9名の方々にお願いであります。
どうか出会う方がすべてに、尖閣諸島の歴史と、民主運動家のノーベル賞受賞に見られるように、中国政府の様々な言論弾圧がいかに前近代的共産党独裁主義として国際的非難を浴びているか、など正しい情報を中国国民に伝えていただきたいのです。
 
 仮にも、公金で出かける旅行であります。努々、中国の謝罪報道になど使われないようお願い申し上げます。
以上、いささか辛口ではありますが私の賛成討論といたします。

 なお、本討論中、公明党の高橋博議員より「ばかやろう〜」という野次があったことは、その品性のなさを含め大変遺憾であり、いったい彼にとって何が「ばかやろう」という程、不愉快だったのか後刻公明党議員団に正式に質問するつもりである。その結果は、当然公開する。何しろ「ばかやろう」である!

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