いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2007年12月13日(木) 補正予算議決前に契約!議会なんていらないじゃん

 地方自治の仕組みは2元代表制をとっている。これは、首長(区市町村長など)と議員双方を住民が選挙で選び、執行機関たる役所と、議決機関たる議会が相互に牽制チョックしながら行政事務をすすめる制度である。

 ところが、いつのころか国会の模倣が地方議会でもはじまり「与党」なるものが出来始めた。結果「与党」議員が過半数を占めていれば、首長やお役人の提案は、ほぼ形式的審査で議会を通過してしまう弊害が生まれた。結果、議会は議決機関としての権能を放棄し「追認機関」「諮問機関」へと成り下がってしまったのだ。これが、片山前鳥取県知事が指摘した「全国の地方議会は学芸会と八百長だ」の言葉に表された現実だ。

 さて、今回のお役人の「暴走」は、補正予算議決前に「補正予算は当然可決される」として2ケ月も前に業者と契約を行い、議決1ケ月前には、委託業務を開始させたという、とんでもない事例である。

 これは、蒲田駅前東西口の喫煙場所設置に伴い、喫煙指導員を配置する、という契約だ。補正予算には3,716,000円が計上され、12月7日の本会議において可決された。が、この契約状況は以下のとおり議決前に行われていた。

平成19年10月25日指名競争入札実施(6社)の結果5社が辞退し不落随意契約で業者決定。同日契約書調印締結。

平成19年11月15日より委託事業開始(来年3月31日まで)

平成19年12月7日上記業務委託予算についての補正予算可決成立

 素人の区民が見ても、おかしい構図だが、どうやら「与党政治」に慣れたお役人にとっては、何らおかしいことではないようだ。以下、所管課長とのやりとりである。

私:予算が可決する2ケ月近く前に契約し、1ケ月前には委託業務開始とは、議会軽視ではないか。可決される前提ですすめるのはおかしい。

環境保全課長:所管委員会でも事前にご説明したし、与党議員の方にもご内諾を頂いており問題ないと思う。

私:ウソつけ!委員会には補正予算のことなど報告してないじゃないか。指導員を配置する、との報告だけだ。まして、与党議員の内諾とは議会制度そのものに対する侮辱だ。(ちなみに、当会派も与党の立場のはずだが‥)

 地元から、灰皿を設置するなら当面指導員を配置せよ、との要望があったのなら、補正可決までの短期契約を「赤紙発注」(130万円未満の契約行為で入札せずに行える)で実施し、補正可決後に新たに契約すべきが筋であろう。まして「与党の内諾」なんざ、まったくなめた話である。与党は何を提案しても「可決」してくれる、という議会軽視の本音が出た。

 ちなみに、その委託契約の内容は次のようなものだ。

立看板設置@16800円X10枚=168,000

早朝灰皿清掃           221,000

指導員
@2100円/1時間X4時間X4名X99日間=3,327,000

 大田区の非常勤保育士には時給1000円も払っていないのに、高齢者を雇用して「ここでは吸わないで」と言うだけの仕事に時給2100円かい?

 何かおかしいぜ!お役人さん!


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