2007年01月18日(木) |
ろう教育に朗報!手話で特区申請by東京都 |
大田区のNPO団体の勉強会などに積極的に参加されている元気一杯のお母さんTさん。実は、お子さんの耳が聞こえない。そして、随分前に、彼女から信じられないことを教えて頂いた。なんと、我が国では、70年以上も前から、ろう学校で手話を使うことを禁止しているのだという。
手話は言語ではない、話せることが社会参加につながるとして、聞こえない耳で聞かせ、話せない口で話させようとする「強制」が行われいる。教員は授業を手話で教えてはおらず進度がおそく、実際の学年よりも一〜三年下の教科書を使っていることが多いとも聞いた。教員は手話がわからず、子どもたちは教員との意志疎通もままならないのが現状だというのだ。
しかし、ろう者にとって、手話は自然な第一言語であり、第二に、書記言語(読み書き)を使う。そして最後に音声日本語を習得する。この順で学ぶバイリンガル教育は、20年以上前から欧米で一般化しているそうだ。
そこで、文部科学省には任せられないと、ろう者教員などが中心となり、手話と書記言語でバイリンガル教育を行うフリースクール龍の子学園が設立されたのだ。出来ないことを補う教育ではなく、ろう児の得意な部分を伸ばそう、という教育である。Tさんのご主人は、この学園を運営するNPOの理事でもある。
詳しい経緯は知らないが、きっとこの運動の成果であろう。東京都が、手話と書記言語による、ろう教育を行う独自課程を定めることが出来る教育特区の申請を、国に対して申請することになったのだ。
親や心ある、ろう教員の志が、東京都を動かし、頭の固い文部科学省を追い抜いて、独自の学校を作れるようになるのだ。本当に素晴らしいことだ。70年以上も出来なかったことが、小さなつぶやきから形になった。正に、民が官を動かしたのだ。この学校が、全国のモデルケースとなり、特区申請など必要なくなるよう願ってやまない。
おめでとう!龍の子学園! ご苦労様!Tさんご夫婦!
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