いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2005年07月13日(水) 街の治安維持と、市民生活。ある職務質問の場合

 友人で、熱烈な選挙応援団の焼き鳥屋のオヤジ(年下だが)から電話があった。えらく興奮しており、「蒲田警察署に文句を言いに行くので、同席してくれ」という。警察は東京都の管轄で、区議会の所管ではないが、そんなお役人的発想は持ち合わせていない。総理大臣だろうが、警察だろうが、区民が正しいのだとしたら、文句を言って正すのは、議員の勤めだ、と思っている。

 そこで、事情を聞くと、以下のようなことだった。

昨晩、この焼き鳥やさんの前で、交通事故があった。パトカーで現場検証に来た中年の巡査長が、目撃情報などを期待して、このオヤジをたずねた。すると、店の隣りにとめてあった、オヤジ所有のバン(車)の助手席にある、量販店の買い物篭が目に入った。この警察官は、事故情報の協力者であるはずの、オヤジを、買い物篭の窃盗犯として調べはじめた。店にも入ってきて、その横暴な態度には、店にいた酔客も「なんだ、おまわり!」と文句を言ったほどだった。カゴについては、店に詫びをいれて、返してくるが、毎日、このカゴで、その店に仕入れにいっているものだ。警察官は「返す必要も謝ることもない」と言う。いったい、何をしにきたのか。

 というのだ。う〜ん…カゴは、明らかに、オヤジが悪い。ドンキホーテー放火犯の女性の最初の逮捕容疑は、ドンキーの防犯カメラに、カゴを盗んだ映像が映っていたことだった。微罪ではあるが、逮捕すら出来る事案でもあるようだ。では、警官の対応はどうか。オヤジの言い分だけ聞くと「市民と共にある警察」というイメージとは違う。以前の「おい、コラ」の復活のようにも聞こえる。

 善良な区民が、必死に働いている現場で、「営業妨害」のような職務質問をするほどの緊急性があるとも思えない。ただ、この手の話は、両方の当事者から聴取しなければ実際のところはわからない。現場第一主義の私は、即刻、一人で蒲田警察署地域課長に面会を求めた。

 突然の訪問に、当初は迷惑そうだった課長も、警察の職務には大いに感謝している、との私の日常のスタンスを理解されたようで、当の巡査長からの報告を教えてくれた。概ねの事実関係は、オヤジの言うとおりだったが、当人には「営業妨害」をした認識はなく、適切な職務だった、と部下を擁護する。

 しかしながら、オヤジさん(と課長は敬称をつけた)が、横暴な言動だった、と思われたとしたら、本人には指導し、お詫びする、と警視たる課長が謝罪の言葉を述べた。結局のところ、どの程度の営業妨害で、そのような応酬があたのかは、課長も私も伝聞情報だけなので、判明はしない。ただ、謝罪されたことは是として、さっそく、オヤジに電話して翻意を促したところ、納得してくれた。

 警察官の不祥事が相次いでいるなか、真面目に職務を執行する現場の警察官は、本当にご苦労だと思う。大きな犯罪の検挙は、今回のような「小さな」職務質問からだとも思う。しかし、そこで、善良な区民、市民のプライバシーや権利をどう擁護するかも命題である。

 最近は、特に区内の盛り場で、制服姿の警察官をよく見かける。頼もしさと、安心感を感じる。悪人には、武器の使用も躊躇せず、区民生活への影響は最小限にというメリハリを是非とも期待したいものだ。

頑張れ、全国の現場警察官! 


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