いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2004年08月10日(火) 教育委員会傍聴。教科書採択はデキレース?

 所用で区役所六階に出かけると「教育委員会定例会」との掲示があった。普段、教育問題につき発言をしておきながら教育委員会の傍聴をしたことはなかたので、興味深々、覗いてみた。

 まず、教育委員会事務局に出かけ、傍聴申し込みをする。傍聴人数は10名で、定刻10時の時点で10名以下であれば全員OK。10名以上だと抽選になる。本日は7名で全員「傍聴許可書」をいただいた。

 本日のメインテーマは小学校の教科書採択だった。すでに先日の委員会で主要教科の採択が終わっており、今日は、生活、音楽、図画工作、家庭、保健体育の5教科の教科書の採択である。

 まずは生活。9社の教科書から1社を選ぶのだが、ある委員が口火を切った。「云々云々、という訳で、私はH社の教科書が良いと思います」続いて、各委員が発言。枕詞は様々だが、結論は皆H社がいい、と言う。

 最後に、教育長(教育委員でもある)が「H社の採択をお願いしたい」と発言。これにはビックリ。採択すべき立場の人間が、まるで教科書会社の営業のような言葉である。その後も、教育長は、家庭科の採択でも「D社で採択していただけると幸いです」と発言。なんで『幸い』なの?と、勘ぐってしまう。

 ご本人は、教育委員に対する(ご本人もだが)、行政側の立場の礼儀と思っての発言だろうが、その一員として『幸い』や『お願いしたい』は適当ではないし、如何わしさすら出てしまう。

 その後、音楽3社、図画工作3社、家庭科2社、保健体育5社から採択したが、いずれも全員『同じ会社』を指名した。ある委員さんなどは、原稿を読みながら「皆さんの議論をうかがっていると、私もD社が良いと思います」ときた。『議論をうかがう』前から書いた原稿のようだが‥

 この教科書採択の教育委員会の前段階として、調査委員会というものが設置されており、各教科書の特徴などを報告書にまとめている。従って、この段階で『本命』が決まっているのだろうが、あまりにも形式的な教育委員会の採択には、ビックリした。

 これではデキレース、教育委員会の形骸化、と言われてもやむを得まい。
ちなみに、会議時間は1時間。月額報酬は委員長301,000円、委員251,000円、教育長796,000円。

 安いか、高いか、それは使い方次第!


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