雪さんすきすき日記
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2020年12月04日(金) |
続・「スズとマリの冒険」のこと |
昨日クリアした「スズとマリの冒険」(しあわせの国)の感想を。 猫耳少女のスズと猫の幽霊のマリが迷い込んだ森を冒険する2Dパズルアクションゲーム。 操作は移動、ジャンプ、憑依、カメラ。この作品の最大の特徴である憑依は、マリを前方に飛ばすという操作。マリが当たった敵はマリが憑依をして、その敵の能力が使えるようになる。また、マリは幽霊なので壁などをすり抜けることができ、幽霊なのに物を持ったりスイッチを操作することができる。この憑依を活用して仕掛けを操作し、ゴールに到達するのがゲームの目的。
ゲーム中には憑依というシステムを活用する仕掛けがふんだんに盛り込まれており、面が進むにつれてその活用の幅が広がることでパズルの手応えと奥深さが増していくところに、挑戦意欲が刺激された作品であった。憑依により敵の能力を活用するのもさることながら、マリを使って壁越しに様々な行動を行うところに、パズルとして大きな刺激を感じられた。どれだけ高い壁が立ちはだかっても、マリがいれば手が届くという不思議な感覚に何度固定概念を覆されたことか。その解法に感嘆したことも一度や二度ではなかった。また、仕掛けの配置も十分に練られており、仕掛けの相互作用が生み出す解法に対する驚きも十分に堪能させてもらえた。 そして、このパズルの完成度をより高めていると思った要素として、次の3つを挙げたい。 まずは、適度な広さの面構成。比較的小規模な空間に敵や仕掛けが程よい密度で配置されていることでそれぞれの作用が分かりやすく、とても快適にパズルを考えることができた。一応、画面外を確認できるカメラ機能もあるが、それを使わなくても十分に構成を把握できる程度の広さであり、面構成を把握するだけで時間がかかり辟易してしまうようなことは全く無かった。また、ある程度の限られた空間に、十分な手応えを感じられるよう仕掛けを配置したパズル製作の手腕も高く評価したい。 次に、待つ時間の少なさ。仕掛けが動いている間に何も行動ができないような場面が極めて少なく、仕掛けに対して常に能動的な動作ができる小気味よさもまた非常に快適であった。とにかく何かしらの行動をとれることで身動きできない最中の中だるみと無縁となり、解法への試行錯誤により一層集中できたことがパズルを解く楽しさを盛り上げてくれた感があった。 最後に、メダルを取る実績の存在。各面にメダルが配置してあり、これを取ると実績となる。メダルは出口までの道中に配置されているのもあるが、大抵は取るためにさらなる仕掛けの操作が必要となり、クリアとは別の楽しみも用意されている。そして、これが中々に手強くてクリアするより数段難しかったことも多々あり、より一層の手応えを楽しませてもらえてお得感があった。また、踏み台などのクリアに必要な資源を再利用しての応用的な解法に驚かされることも多く、改めてよく練られたパズルであることを認識させられた要素でもあった。あと、前述の要素による展開の小気味よさが、メダルへの挑戦の敷居を低くしてくれたことも、とても大事なことである。そういえば、クリア時間の実績はかなり余裕を持たせて設定されていたが、もしかしたらメダルを取ることを前提に設定されていたのかもしれない。
キャラクターの可愛らしさは言わずもがな。敵の姿にも愛嬌があって、和やかな雰囲気でじっくりとパズルを楽しませてもらえた。中でも、幕間のデモで何だかんだ言ってもスズを全肯定してしまったり、スズに対して見栄を張るマリの可愛さは、ゲーム中の活躍も相まって非常に存在感があった。あと、スズが木箱を押すときのかざり目もとても可愛い。平行してプレイしていた「They Bleed Pixels」が非常に殺伐としたゲームなので、可愛さが尚更清涼剤のように思えた作品であった。
全実績を達成してクリア。体験版をプレイして、憑依というシステムの面白さとそのシステムを活用したパズルの完成度の高さで完成版を心待ちにしていた作品であったが、完成版の内容は期待以上のもので楽しさも一入であった。そして、自由な発想を適度にまとめた内容で気軽にプレイできて、そして十分な手応えが得られる小回りの良さも、また同人ゲームの魅力の一つなのであろうと、この作品をプレイして思った次第である。 ところで、全面クリアした後でもマリの冒険は続くようなエンディングであり、そもそも森に迷い込んだ理由やスズが幽霊の姿である謎も残されたままで、パズルの内容もまだまだ可能性を秘めているように思えるので、是非とも続編を出していただきたく。
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