雪さんすきすき日記
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2015年10月12日(月) 「リーサルオペレーション」のこと

 10時頃起床。昨日までに比べて体調がすこぶる良いので、この機を逃すまいと「リーサルオペレーション」に専念。一気に最後までプレイしてエンディングまで到達することができた。ラスボス戦は回復アイテムを使い切って仲間も全員やられて体力が残り1というところから執念でスフィアタイラントのエネルギーを溜めて大逆転。このあまりにも劇的な幕切れに、自分のプレイながら感動の嵐。諦めずに頑張った自分を褒めてやりたい。

 というわけで、「リーサルオペレーション」(大雪戦)の感想を。
 空軍と地軍の戦いが集結してから10年後。しかし、勝利した空軍は分裂して資源を巡る争いを続け、疲弊した世界は緩やかに衰退の一途を辿っていた。その世界を辛うじて支えているのが、ドール博士が構築した惑星再生機構オージュ。だが、環境の悪化は進み、人々はオージュの周囲でしか生きていくことができなくなっていた。そんな黄昏の世界にドール博士より生み出された1体の半機半植物の存在。新たな惑星再生機構である彼女の名前はルギッタ。自分の役割を知りつつも生み出されてから放置を続けられていた彼女は痺れを切らし、ドール博士の元を飛び出して世界再生の旅に出かける。

 「リーサルアプリケーション」「リーサルクライシス」に続く大雪戦のリーサルシリーズ第3弾。時系列的には「リーサルクライシス」の後の話となる今作のジャンルは横視点の2DSTG。
 ルギッタは戦器(リーサルシリーズにおける人型兵器)ではないものの、物騒な世の中を渡り歩くために相応の武装はしている。具体的には、ボタン連打による広範囲のワイドショット、ボタン押しっぱなしによる前方集中のスナイプショット、溜め撃ちのチャージショットである。ショットは左右に撃ち分け可能となっている。ここで、ショットには属性があり、ロックオン属性のショットを当てるとロックオンし、ホーミングショットはロックオンした敵に向かっていく。そして、今作の特徴の1つであるブレイク属性の弾(ブレイクショット)を敵に当てると、敵が撃った弾が光の粒子になり消滅し、さらに敵の防御が低下する。ワイドショット、スナイプショット、チャージショット共に多数の武器が用意されている。また、武器以外にカスタムという補助的な効果を付与する装備もある。
 さらに、「リーサルクライシスPS」から引き継いだスフィアタイラントも装備。スフィアタイラントはSTGにおけるボムを拡張したような効果で、発動すると先ずは自機と敵もろともタイラントが作りだした空間に閉じ込めてしまう。そして、空間の中では、使用者のみに効果を及ぼすユーザー効果と、敵味方全てに効果を及ぼすフィールド効果が付与される。また、タイラント内で被弾しても、一定値まではタイラントがダメージを肩代わりしてくれる。一定時間過ぎるか、一定値のダメージを受けることでタイラントは解除される。基本的に発動した側に有利になる空間が展開され、窮地でも逆転可能なほど強力な攻撃である。ただし、敵もスフィアタイラントを使用し、タイラントは上書きされるという原則があるため、使いどころを見極める必要のある武器である。
 ゲーム構成は、ルギッタを操作して上記の武器で敵を倒しつつゴールに向かうのが目的。面によって強制スクロールか任意スクロールが決まっている。また、最後にボスが待つ面もあり、その場合はボスを倒すとクリアとなる。クリアすると戦績により経験値が入り、経験値が一定値に達することでレベルが上がり能力が上昇する。その他、スキルチップを消費して独自のスキルを身に付けることもできる。
 STGに付き物の残機は、今作では仲間がその役割を果たす。ルギッタは3人まで仲間と共に行動することができ、その仲間はイベントや傭兵斡旋所で入手することができる。キャラによって性能や装備できる武器がそれぞれ異なりルギッタ同様経験値により成長もするし、スキルチップによる強化も可能。仲間は随時切り替え可能で、被弾して体力が無くなると別の仲間に切り替わり、全員の体力が無くなるとゲームオーバーとなる。

 成長要素のある2DSTGをゲームシステムの軸にして、RPGのように物語を綴る構成というのは、コンシューマゲームの黎明期に良く見受けられたような気がして、何だか懐かしさを覚えたというのが第一印象。なお、現在では2DSTGの立場はFPSやTSPに置き換わっている。

 とはいえ、ゲームの中身までは懐古的ではなく、ブレイク属性による弾消しとスフィアタイラントで攻めに徹するところがいかにも大雪戦らしい調整である。
 まず、ブレイクショットだが、弾を消すと生じる光の粒は溜め撃ちのエネルギーを補充する効果がある。なので、敵が大量に弾を出したときにブレイクショットを当てれば、弾は消えるし溜め撃ちのエネルギーは溜まるしで一石二鳥。特に、大量に弾を出し続けるボス戦では、弾消しから弾消しへとつなげることで格段に優位を保つことができる。そもそも、このシステムを活かすためかボスの弾幕からしてまともに避けさせる気は無さそうで、いかに避けずに済ませるかを重視した調整となっている。そして、その調整をちゃんと優位性を維持する面白さとつなげているのが見事なところである。
 スフィアタイラントは、前作「リーサルクライシスPS」をプレイしていたのでその効果は重々承知済み。発動すればこちらのやりたい放題で、ダメージも空間が肩代わりしてくれるからほぼ無敵という、これを発動した瞬間に勝利を確信できるほど反則極まりない兵器である。いうなれば、STGのボムの無敵時間が長時間続いてさらに援護射撃やら自機の強化まで付いてくるという感じで、初出こそアクションゲームだったがSTGとは特に相性が良いように感じられた。
 そして、個性的な戦器や巨大戦艦を相手とする面構成でこれらのシステムを活用するためのお膳立ても十分に整っており、攻める楽しさを存分に堪能できる内容となっている。この辺りの手腕はさすが大雪戦と言わしめるものが。

 一方で、ルギッタが万能すぎて、少なくとも本編をクリアする時点で他のキャラの出番がほとんど無かったのが気になった。実績も、無理やり他のキャラを使わせようというものが散見されて、どうかと思った次第。そもそも、どのキャラもルギッタより使い勝手が悪く、存在意義に疑問を持ってしまう。成長させれば強みも見えてくるはずなのに、ルギッタ一強のせいで積極的に成長させようという気にはなれなかったのは、何かが違うと思うのだが。

 物語は世界を救う大冒険で非常に規模の大きい話であるが、なにしろルギッタの能力が設定上でもゲーム上でも尋常でなく、立ちはだかる障害を軽くあしらい、オージュの保守も滞りなく行っていく。戦闘用でないのにこの強さは反則だろうと思いつつ、その反則的な強さで軽快に物語が進んでいくのは気持ちがよい。そして、所々に入るマッドサイエンティストの血を受け継いだ言動が実にお茶目である。お茶目といえば、最初に仲間になるパニッシャーが今作の貧乏くじ役として、これまた良い役割を果たしている。仮にも地上基地の責任者だった彼女が事を追うにつれてパニ子呼ばわりされる様は涙なくしていいぞもっとやれ。また、過去作のキャラもちゃんと登場して、成長の程(物理的にも精神的にも)が見受けられるのは嬉しいファンサービス。
 「リークラ」に比べて迫力に欠けるのはやはりキャラの大きさによるところが大きいと思うのだが、これはSTGというジャンルの宿命上仕方無い。このシステムでキャラの大きさを「リークラ」並みにしたら情報量が足りないし、移動速度を「リークラ」並みにしたらとても弾を避けるための制御ができない。ここが落としどころだといえば素直に納得できる。
 しかし、今回もクラリーノ同様自己犠牲型ヒロインというのはちょっと食傷気味なところもあった。

 実績に関しては、チェーン数とノーダメージが「リークラ」よりも手強い。チェーン数はブレイク後の撃ち込みでチェーン数が増えるのを利用するので、敵の出現パターンに応じた撃ち込みやすい装備の組み合わせから考えなければならない。ノーダメージは、タイラントスフィアを始め、持ちうる手段を使わなければならないであろう。今回は全部埋められるか正直自信が無いが、できるところまでやってみるつもり。
 ルギッタ編での伏線がレイ編でどう回収されるのかを楽しみにしつつ、暫くは実績埋めに勤しもうかと思う。


氷室 万寿 |MAIL
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