雪さんすきすき日記
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2013年05月29日(水) 「さくやさんクライシス2」のこと

 今日は日がな一日「さくやさんクライシス2」(コココソフト)をプレイ。例大祭では新作「さとりのダンジョン王国」が発表されたというのに、未だこの体たらくである。

 ある日、幻想郷にて物や人、能力が神隠しに遭うという異変が発生。時間を操る程度の能力が神隠しで封印された咲夜さんに対し、この異変の容疑者である紫が、封印を解くには「わくわくスキマランド」の攻略をするしかないと告げる。瀟洒殺法と共に、またしても咲夜さんの受難が始まるのであった。

 前作「さくやさんクライシス」の続編で、上方視点による(肉)弾幕アクションRPG。ルールも前作とほぼ同じで、マップ内に居る大量の雑魚妖精を蹴散らしてアイテムを集め、制限時間内出口に向かうのが目的。ただし、今作は宝アイテムを規定数集める他に、マップのどこかに存在するトレジャーボックスを開けることも出口出現の条件となっている(ボスが居る面ではボスの撃破もさらに条件に加わる)。トレジャーボックスからは神隠しに遭った様々なアイテムが出現し、入手することで能力強化に繋がる。
 能力が封印された咲夜さんの攻撃手段も、前作同様瀟洒殺法。基本は妖精を蹴り飛ばすというもので、ジャンプで攻撃して妖精を気絶させ、そこに体当りでドリブルし、再度ジャンプでシュートとサッカーさながらのアクション。そこに、突進技のアローと画面全体攻撃のフラッシュが加わる。シュートやアローで飛ばした妖精は他の妖精を巻き込んでダメージを与えるため、連鎖による一網打尽も可能であり、それがこの作品の醍醐味にもなっている。また、同一方向を入力し続けることで咲夜さんは加速して徐々に速度が乗ってくる。動きが速いと一方的に攻撃できたり敵弾をすり抜けるが、動きが遅いうちは敵の攻撃を受けやすくなる。ただし、マップは迷路状で曲がり角など速度が落ちる場面も多く、如何に速度を乗せて制御するかにプレイヤーの技量が問われる。
 そして、それら瀟洒殺法の技は、外野で好き勝手言っているレミリア嬢やフラン達のスペルカードを付けることでさらに強化される。強化内容は攻撃力の上昇にとどまらず、体力回復やアイテム自動回収など多岐に及ぶ。スペルカードの効果の活用が前提の調整であるため、各技にどのスペルカードを付けるかは攻略上極めて重要となる。ただし、これらスペルカードは使用キャラの機嫌が一定値以上無いと発動しない。スペルカードを使わないキャラは機嫌がどんどん下がっていくので、適度に使用してご機嫌を取らなければならない。外野のキャラとスペルカードはゲームが進むにつれて数が増えるため、強力なスペルカードの恩恵を受けるには、ご機嫌取りに一層気を使うこととなる。その他、ショップで購入するアイテムを装備しても能力の向上が図れる。
 さらに、今作では倒したボスの能力に準じた攻撃も使用可能。いずれも瀟洒殺法に比べて派手で大胆な攻撃であり、面構成もその攻撃が堪能できるよう使用することが前提の調整となっている。また、攻撃を選択すると咲夜さんがその能力のキャラの衣装に着替えるという着せ替え的な要素も備わっている。ちなみに、倒されたボスは衣装をひん剥かれて全てエプロンドレスを着せられる羽目に。
 各種能力やスペルカード、アイテムは、妖精を倒して入手したPアイテムを消費して強化することが可能。ただし、入手できるPアイテムには限りがあり、全ての項目を最大まで強化できるほどは入手できないので、選択と集中が必要となる。また、ボスの能力は基本的に全て使用するので、いずれも満遍なく上げておかないと最後の方で大変な目に遭うかと(実際遭った)。

 画面を埋め尽くすほど大量の妖精を瀟洒殺法で一網打尽にする痛快さは前作どおりで、一層派手になった演出がさらにその痛快さを盛り上げてくれる。使用するキャラのご機嫌を取るために各技に対するスペルカードの配分も考慮する必要もある程度はあるが、基本的に全ての技を使って攻めていくので、どれか1つの技にスペルカードを付けておけばそれ以降はあまり考える必要は無いかと。割と勢いで攻めていけるのもこの作品の特徴である。
 各面の道中の特徴付けがより明確になったり、雑魚妖精の種類が増えたりと、前作よりも変化に富むような内容は大きな躍進かと。特に、道中はその前の面で倒したボスの攻撃を活用する構成となっており、瀟洒殺法一辺倒であった前作に比べて各面の新鮮味がより高く感じられた。さらに、それらボスの攻撃がいずれも派手で大胆で高威力と、雑魚妖精を殲滅する楽しさに溢れているところに、基本的な醍醐味がしっかりと維持されていてとても好印象を受けた。あと、着せ替えによる咲夜さんのあなた誰ですか感もかなり笑えるものがある。一方で、ボス達のエプロンドレス姿も可愛らしく、キャラの演出でも楽しませてもらえた。グラフィックや演出などは全体的に大幅に強化されている。
 物語も前作のノリを引き継いでおり、こういう基本的に「よし、ボコろう」な脳筋的展開が大好きな私は、いいぞもっとやれである。また、前作は割とネットネタが多用されていた気がするが、今作はそこまで外部ネタに頼らず物語が組まれていたという印象も(二次設定は相変わらず存分に使用されているが)。
 楽曲は今作もフリー素材。場面に合った楽曲で構成されているものの、他の作品でも良く聴く曲がほとんどでもあり、作品の独自性からするとこの点は本当に惜しい。

 という感じで、実に正統的に進化した続編であるというのが全体的な印象。脳筋な物語に沿って大量の妖精を一方的にぼっこぼこにしていくという痛快さを追求したシステムと作品構成は、独自性の高さの点でも評価したい。
 丸1日プレイして1周目をクリア。妖夢の能力があまり使えなかったので全く強化しなかったら、ラスボス戦で大変な目に遭ったのはいい経験。その他、強化すべきスペルカードや能力も把握できたので、物語の全容が明らかになる2周目に挑もうかと。前作をプレイしていたので、2周目が本番という心構えはできていた。


氷室 万寿 |MAIL
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