雪さんすきすき日記
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2009年07月07日(火) |
「アレックスキッド・ロストスターズ」のこと |
昨日、「アレックスキッド・ロストスターズ」のノーミス2周クリア動画を見つけて大興奮。というわけで、今日はこのゲームについて語ることに。 このゲームは、セガが1986年に発表したアーケードゲームで、主人公のアレックスとステラ姫が失われた星座を集めてジグラットに運ぶというジャンプアクションゲームである。
で、このゲームだが、非常に難しい。とにかく難しい。こんなの今アーケードゲームで出したら最早犯罪と言えるほど難しい。個人的にも、今までプレイしたジャンプアクションの中で最も凶悪な難易度を誇る作品の一つである。どう難しいかというと、とにかくキャラを避けるタイミングがシビア。初心者なら最初のトランプ兵隊で全滅ということも普通に起きる。また、この動画はノーミスなのでここからは分からないが、昔の作品なので当り判定はほぼ見た目どおりであり、これを踏まえて見ると紙一重での操作を要求される場面がこれでもかというほど用意してあることが分かるかと思われる。しかも、普通に飛ぶだけでも難しいのに、4面(11面)は水中で慣性が付くし、7面(14面)は重力が弱くてジャンプの軌道が高く動きもゆっくりになるので、より一層操作が難しくなる。さらに、性質の悪いことに隠しや裏技のような小手先の解法はほとんど無く、馬鹿正直な程に真っ向から立ち向かわなければならないという、あまりにも正統派が過ぎる難しさなのである。 このゲームをプレイしたことのある人(相当古いゲーマーだと思うが)なら、ノーミス2周クリアがどれだけとんでもないことか十分に理解できるかと。
しかし、ただ難しいだけならここまで大きな動画を貼ってまで紹介することは無い。この高すぎる難易度に匹敵するほどの大きな魅力、それはゲーム全体から溢れ出る実に楽しげな雰囲気である。立ちはだかるキャラはお茶目な容姿と愉快な動きをしているものが多く、3面や6面などにはちょっと気味の悪いキャラも居るけど、それにもどこか愛嬌が感じられる作りになっている。また、4面の体が骨の魚や、5面の浮かぶ石に鳥の絵が描いてあるところなど、単に可愛いだけでなく洒落っ気のあるところが実に楽しい。そして、キャラに負けじと音楽もまた楽しい雰囲気を演出してくれる。ゲームの難易度からはあまりにもかけ離れすぎて笑ってしまうほど、和やかで楽しげな音楽ばかりなのである。この何とも賑やかで牧歌的で楽しい雰囲気は、まるで絵本の中に入ったかのようである。 また、この文章を書いた中で”敵”という表現をあえて使わなかった。そう、立ちはだかるキャラに敵意が感じられないのである。大抵のキャラは単にこちらに向かってきたり、その場で飛んだり跳ねたりしているだけであるし、中には攻撃をしてくるのもいるけれど、それでもあからさまな敵意を感じさせるものはなく、あくまでちょっと邪魔をしてやろう程度である。この点も雰囲気を作る上での大きな要素であるといえよう。
やはり、難易度の高さ故に決して人にプレイを勧められるゲームでは無いが、この独特の楽しい雰囲気は新旧を問わずゲーマーの方に感じ取って欲しいと思った次第である。
余計な話ではあるが、こういうコミカルなゲームが廃れたのは、ハードの進化が一因ではなかろうか。画像の解像度が低い頃のグラフィックはどうしてもデフォルメせざるを得なくなり、デフォルメと相性の良いコミカルなゲームが作りやすい状況にあった。そして、ハードが進化して解像度が向上すると無理にデフォルメをする必要が無くなり、綺麗でリアルな表現に移行していくわけで、それに伴ってコミカルなゲームも衰退していったという流れである。 そう考えると寂しい感じもするが、進化したハードでのコミカルな演出というのも当然あるわけである。なので、廃れて主流ではなくなったかもしれないけど、受け入れられなくなったわけでもないので、さほど悲観的に考えることは無い。現に、先日紹介した「Little Wheel」や「Use Boxmen」等、ちゃんと高評価を受けている作品もあるわけだし。それに、そのうち時代が回ってまたコミカルアクションが日の目を見るときがきっと来る…といいなぁ。
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