雪さんすきすき日記
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2008年10月16日(木) 「東方儚月抄」のこと

 昔話を一つ。

 私が未だゲーセンに通っていたころ、世間では「新世紀エヴァンゲリオン」というアニメが大流行していた。知人連中も挙って夢中になっていて、放映日の翌日は皆で熱く考察をしていたものである。しかし、私は終にアニメを1回も見ることは無かった。知人連中の考察し合う姿を見て、「ああ、伏線や謎についていろいろ考えるのがエヴァンゲリオンの主たる楽しさなのだろう」と解釈し、そういう楽しさには興味が無かったので作品自体にも興味が持てなかったからである。そして、流行の最中、私は専ら知人連中が考察して楽しむ姿を見て楽しんでいたのであった。

 そして時は流れて、今私の中では「東方儚月抄」が全く同じ状況になっていた。ただし、「東方儚月抄」の場合には物語の考察に加えて「何故流行らないのか」という点でも考察が行われているのが当時と大きな違いではあるが(笑)。それはともかく、「東方儚月抄」は主として考察を楽しむ作品と認識し、考察を行っている様子に興味はあれども作品自体への興味は失われていた。

 昨日までは。

 さて、昔話には続きがあって、とある出来事が切っ掛けで私はエヴァンゲリオンの単行本を購入した。その切っ掛けとなった出来事ははっきりとは覚えていないが、確か「エヴァンゲリオンは少年の成長物語である」という感じの文章をどこかで見たことだったと思う。これに大きく興味が湧いた。とはいえ、別に成長物語という内容に興味が湧いたわけではなく、こういう観点があるということに興味が湧いたのである。そして、半信半疑で単行本を購入して読んでみたところで正しくそのとおりであり、非常に大きな衝撃を受けた。ついでながら、内容は普通に面白かった。というわけで、それ以降単行本で話を追って楽しんでいたのだが、途中で連載が休止してそのまま再び興味を失ってしまったというのが話のオチである。

 文章の流れからして「東方儚月抄」でも同様の事態が起きたと容易に予測されるであろう。小シヱスタリアの10/16の内容にあった、

「神様の力と魔女の魔法で作ったロケットで月を目指す、というシチュエーションにわくわく出来れば素直に楽しめるはず」

この文章である。「東方儚月抄」は難しい内容を唸りながら考える作品なのに、わくわくするとは一体どういうことなのだろうか!そんなことが有り得るのか、と半信半疑で未開封の虎の通販の袋から単行本を取り出して確かめてみたところ、今回も正しくそのとおりで気が付けばわくわくしながら読み進めていたのであった。「東方儚月抄」に対する見方が大きく変わった瞬間である。

 言い訳をさせてもらうと、商業漫画への興味がめっきり衰えているので情報が興味を失う方向に影響を及ぼし易いというのがあると思われるのだが、それでも自分の視野の狭さを反省すると共にこのような文章に出会えた幸運を喜ぶ次第である。
 勿論、「東方儚月抄」の考察自体に文句を付けるつもりは全くない。悪いのは、あくまで私の視野の狭さなのである。

 ただ、楽しむための予備知識は相当必要である。何しろ、「東方紅魔郷」から「東方風神録」に至るまで把握していなければならないのだから。
 しかし、東方Project以外の知識はさほど必要ではない。もちろん、日本神話の知識など無くても楽しめる(根拠は私)。必要になるのは「読み解く」場合である。

 とはいえ、やはり単行本でまとめて読んだ方が良いかも。連載とは話のテンポがまるで違う。出費の度合いも(笑)。

 私の極めて個人的で拙い文章では、読んだ方の「東方儚月抄」への興味を掘り起こすことは非常に困難であろう。しかし、小シヱスタリアの10/16の内容を読んでもらえば、きっと私のように見方が変わる人が居るはずである。

 蛇足ながら。日記の上部に考察のようなものという項目があるのに考察に興味が持てないのは矛盾していると指摘されるかもしれないが、あれはあくまでゲームを楽しんだ上で行っている事項であり、まず考察ありきでは無いということで。

 長々と駄文を書いていたせいで、今日の「RefleX」は1回クリアして終了。
 実はこのゲーム、最も被弾の危険性が高いのは3面ではなかろうか。6面以降は凡ミス以外で被弾する要因ほとんど無いし。


氷室 万寿 |MAIL
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