2004年07月26日(月) |
27時間テレビと笑いの文体 |
土曜日は、友達の誕生日パーティというか、食事会で、ベトナム料理を 食べに行ってきた。
その後うちに帰ってきて、TVをつけるとフジテレビで27時間テレビを やっていて、ちょうどフジテレビとTV朝日で相互乗り入れという画期的 な事を行なっていた。
説明すると、フジテレビでTV朝日のスタジオの映像が流れたり、逆に TV朝日でフジテレビのスタジオの映像が流れたり、スマップの歌を流し ていたりしたわけなのだが、それが思った以上に面白かったのだ。
ま、これが可能になった背景には、スマップというか、ジャニーズの 力が大きかったんだろうけど。
でも今回の27時間テレビ、さすがに27時間ぶっ続けで見てたわけでは ないが、総じていつもより面白かったと思う。 今回は笑いに絞った分、楽しめるつくりになっていたと思うのである。
あと、もう一つは、ベースとなるフォーマットが「めちゃイケ」だった 事も、個人的に面白かった理由の一つかもしれない。
今現在、バラエティ番組の作り方って、いろんな方法論があるんだと 思うんだけど、個人的にはめちゃイケ方式が、一番自分の笑いのツボに 近い感じなのかもしれない。
それでは、めちゃイケ方式とはどういうものなのか。 今回の番組で言えばたとえば、某24時間テレビ恒例のマラソンを丸々 パクって、しかもそこで応援に来る人がお笑いタレントで、走者の 加藤浩次をまったく応援せずにネタを見せるだけだったりとか、
その加藤浩次が最終的にゴールできなくてもそれでいい、というつくり だったりとか、
お昼頃に行なわれたスマップのライブでは、わざわざ今回総合司会の 中居正広をフジテレビから離れた大江戸温泉に連れていく流れをつくっ て、そこからチャリで駆けつけさせ(これは途中で自転車のチェーンが 外れるというハプニングもあった)、中居が遅刻してメンバーが揃わな い代わりとして、岡村隆史がメンバーに加わって踊ったりとか。
これらは言うまでもなく、「ヤラセ」というか「作りこみ」である。 でもそれをあえて照れなくやってしまうあたりがめちゃイケらしいと 思うのである。
これって、時にはその作りこみ加減が、くどいと言うかいやらしい感じ になっちゃうんだけど、今回は生放送と言うスリル感と、まさか生放送 でそこまでやらないだろ、という私の勝手な思い込みを見事に砕いて くれたのが、思ったより楽しかった理由の一つかもしれない。
で、もう一つ思ったのは、お笑いはブームになる度に第○世代、などと よく言われるが、その第○世代によって、もしくは吉本と渡辺プロなど 所属する事務所によって、笑いの文体というか、その笑いのポイントが 微妙に違っているんだなあ、と思ったのである。
それが一番顕著にでたのが、深夜、明石家さんまと若手(というより もう中堅)のお笑いタレントが、恋のから騒ぎのパロディをしている 時だった。
明石家さんまや、今田耕司が作りこんだタイミングのフリや、ボケを 好むのに対して、このコーナー唯一のツッコミ役の矢部浩之のツッコミ のポイントの好みが微妙に違っていて、その度に明石家さんまがその場 でダメだしをしていたのである。
その後、やべっちは「はねるのとびら」メンバーと絡んだときも、 彼らの世代のシュールなボケにうまく対応する事ができず、ちょっと 泣きをいれていた。
というより27時間テレビ司会のプレッシャーもあったにせよ、最近 あまり他のお笑いメンバーと絡むことのなくなった矢部浩之のツッコミ の技量が鈍ったのか、それとも馬脚があらわれたのか?
考えてみれば最近のやべっちって、岡村さんの横でへらへら笑っている 方が多いと思うし。
でも、もしかすると、'80年の漫才ブームの頃に生まれた今の10代〜20 代前半と、その漫才ブームで笑いの世界にはまったと言える私たち30代 ではもしかすると、笑いのツボは微妙に違っていたりするのかな。
なんてことを漠然と見ながら思ったのである。 さて、27時間テレビは来年も同じフォーマットでやるんだろうか。 なんにせよ、今年はいい物を見せてもらいました。
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