アメリカ合衆国の大統領は、いよいよイラクを攻撃するつもりらしい。 彼を見ていると裸の王様というか、こんな光景を考えてしまう。
今回の一連の話の流れを見ていると、まるで大店の若旦那が、イラクの 石油利権に目がくらんで、花魁に入れあげたはよかったが、そこは 駆け引き上手な花魁。なかなか言うことを聞いてくれない。
でも、熱を上げてしまった若旦那としては、周囲の番頭さんやら 幇間もちがいさめても、どうすれば一度あげてしまった手を下ろして いいのやら、わからない。 うーん、あんまり上手いたとえ話ではなかったか。
まあ、よく考えてみると今までアメリカ合衆国が世界平和の安定のために 動いたこと自体が極めて稀である訳で。
かつては国際連盟に加盟しなかったし、ドルの金本位制は勝手にやめるし 最近では、京都議定書は批准しないし、国連の分担金?は払おうとしない。
第二次世界大戦後、一見世界秩序の安定に動いているように見えるのは 旧ソ連などの共産主義政権との、冷戦という名の武力衝突のない緊張状態 が続いていたからであって。
冷戦がなくなりゃ、あとはやりたい放題。 どこかでアメリカはジャイアンであると書いていたのを見たけど まさに言いえて妙だと思う。
ただ個人的に気になることは、成功したにしろ失敗したにしろ、イラク 攻撃の、その後の問題である。
仮に、イラクのフセイン政権を打倒して、親米政権を作ったとしても それがすなわち、アメリカの不景気の改善に結びつくのかどうかは わからない。
また勝手に誰かから襲われるんじゃないかという、猜疑心と恐怖心に とらわれて、次の仮想敵を作り出さないとも限らない。
逆に、フセイン政権打倒が不首尾に終わった場合。 その場合ブッシュがいくら戦争を続けたいと思っても、アメリカ経済の 後退が起こって、戦争を続けたくても続けられない状態になることも 考えられる。
もともとが、米国内の経済政策の失敗を覆い隠すつもりで始めたような 戦争なんだし。
その場合、戦争で勝てなかったショックで、国内に関心を集中させてしまう 国際的引きこもり状態になるかもしれないし、 また江戸の敵を長崎で討つ、じゃないけど、武力を行使して勝てなかった 事に対する米国民の不満を、経済的な仮想敵を作ることではらそうと する可能性もある。
要は、勝手に敵作れば国内で指さされる事はない、という自転車操業の ような政権運営になるわけだ。 あれ?どっかで見たような気もするのは気のせいか。
などと、ちょっと好き勝手なことを考えてみた。
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