掛川奮闘記

2008年09月11日(木) 080911_汚染米!モラルはどこへ

 食用にはならない汚染米があちらこちらで食用に使われていた問題が拡がりを見せています。

 これまでには考えられないようなモラルハザードで呆然としてしまいました。

 そもそも食べられないことを前提に安く売っているものを、流通業者を経由させることでいつの間にか食べられる米として流通させ、儲けを得るとは言語道断。一片の酌量の余地のない確信的犯罪行為です。

 日本人のモラルがここまで低下したということは恐るべき事で、これ以上はやってはいけないという自制の心のハードルを軽々と越えてしまった背景をもう少し探って欲しいものです。

 最初は少しだったものが次第に麻痺していっただとか、想像は膨らみますが厳正な調査をして欲しいものです。

 同時にまたそれがお酒に使われて被害を拡大させています。事故米を使った焼酎やお酒を調べた農水省では「健康には害の無いレベルである」と沈静化に努めていますが、風評被害は免れないでしょう。

 しかもこの事故米を使った原料焼酎によって、超大手の酒造メーカーまで被害が及びました。

 超大手の酒造メーカーと言っても、原料は中小の酒造メーカーから蔵で買うんだなあ、などと知らなかったことを知った驚きもあるのですが、メーカーは「知らなかった」ではすまない危機の発生となってしまいました。

 この上は事実をありのままに公表して、出来る限りの誠実な対応を示すことが一番の火消しになるので、とにかく回収して謝罪するということを徹底するしかないでしょう。

 当局側も「健康に害のないレベル」と言っていますが、そう言ってしまうと今後一つでも健康に害のあるレベルに達した製品が見つかるとまた大変なバッシングに繋がりますので注意が必要です。

 そもそも「健康に害のないレベル」という曖昧な説明は危険。「基準は○○ppm以下だけれども、どれもその千分の一以下のレベル」と言った風な、聞いた側がよく分からなくても事実をはっきりと言った方が効果的。こういうときは事実を大量に垂れ流す方が訊く方は帰ってよく分からないなりに安心したりするものです。

 一番受け手をいらいらさせるのは情報がなかなか出てこないこと。情報を出さないことがそもそも後ろめたい何かがあるからだろう、と邪推するからです。

 そういう危機管理が出来ている組織とそうでないところの差がこの一瞬に現れますから注目しておきましょう。

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 それにしても、事の拡がりと重大さに尻込みしているのか、汚染米を使った業者に対するマスコミのバッシングに勢いがありません。

 口の悪い2ちゃんねらーの世界では、「そもそも三笠フーズの米は危ないというのは業界の常識だったはず」などといった書き込みがあったりして、プロの世界の常識が問われます。

 また批判が鈍いのは、超大手のメーカーともなると良いスポンサーだからなのかな、とはれまた下衆の勘ぐり。ほんの少し前の吉兆や赤福、石屋製菓はこれに比べると随分叩かれたのになあ、とその差に釈然としない思いもするのです。

 冷静な消費者としては、「健康に害のないレベル」という言葉を信じつつ、どうしもて信じられないという場合は返却を求めながら、全体の事実関係に注目したいものです。

 嗜好品は事実よりは風評被害の方が大きいもの。焼酎が無くてもウィスキーやワインがあれば良いのですからね。

 問題の根っこは儲け市場主義のモラルハザード。良いものを安く売って儲けさせてもらうという商売の原点は誰が教えてくれるのでしょうか。


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こままさ