掛川奮闘記

2006年12月05日(火) 061205_いざなぎ越えは何になるのかな?

 昼前まで、遠くが見えづらくなるほどの雪が降っていたのですが、午後には晴れました。午後の雪は暖かくて融け始めています。

 雪国人なら分かるでしょうが、雪にも暖かい雪と冷たい雪があるのです。

【いざなぎ越え】
 去る10月12日に発表された月例経済報告では、景気の基調判断が「回復」とされました。これで、2002年2月に始まった景気拡大が57カ月連続となり、戦後最長のいざなぎ景気に並んだのだそうです。

 おそらく11月の報告でも、景気回復という判断が示されることは確実だと言われていて、どうやらこれまで最長だったいざなぎ景気を上まわる景気拡大となりそうな気配で「いざなぎ越え確実」などと言われています。

 そもそも景気は循環するものなので、一定の時期が来ると長期にわたる景気拡大基調になることがあるのですが、昭和29年11月から昭和32年にかけて31ヶ月続いた景気の拡大基調は、「有史以来の出来事」とされて、神話の世界の初代天皇神武天皇の御代まで遡って、神武景気と名付けられました。

 その後、これをさらに上回る景気拡大基調が登場したことから、景気に名を付けるために神話を更に遡らざるを得なくなり、天の岩戸まで遡って「岩戸景気」、さらにさらにイザナギ、イザナミの国生み神話まで遡って「いざなぎ景気」と名付けられたのでした。

 私の関心事は、この「いざなぎ景気」を超えた場合、世の経済学者さんたちは一体何景気と名付けるのか、ということです。

 そもそも一般の国民は、今日あまり日本書紀や古事記などを読むこともないのでしょうが、古事記読みの私としては非常に気になるところです。

 日本の国の神話には古事記と日本書紀が有名で、記紀などと呼ばれることはご存じの方も多いと思います。

 しかしこの両書の内容は細部でいろいろと異なっていて、物語として神代の時代の物語が一つのストーリーとして形成されているのは古事記の方です。読んでみても絶対に古事記の方が面白くできています。

 しかも「岩戸景気」として天の岩戸の話が登場しているのは古事記の方ですから、いざなぎ越えについては、古事記の物語を遡るのが妥当だと思われます。

 そもそも古事記に登場する最初の神様がどのような方か、ということについても案外知らない方の方が多いでしょう。

 古事記の冒頭は、「天地が初めて分かれたとき、高天の原に成れる神の名は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高御産巣日神(たかみむすひのかみ)、神産巣日神(かみむすひのかみ)」とされています。これは日本人なら絶対に知っておくべき知識と言えるでしょう。

 神様の数え方は「柱(はしら)」という数詞を用いますので、「この三人の神様」などと言わずに、「この三柱(みはしら)の神」と言うと、(この人はなかなか勉強しているな)と思われること請け合いです。

 さて、この三柱の神はたった一人の神様として登場したもので、すぐに身を隠されてしまいます。

 その次に登場した神は、ウマシアシカビヒコヂノカミです。なんと、葦(アシ)とカビが神様として登場するのです。とにかく成長するというシンボル性をアシとカビに見出すとは面白いものです。

 つぎが天之常立神(あめのとこたちのかみ)で、古事記ではここまでの五柱の神を別天つ神(ことあまつかみ)として別格を与えています。

 その次にやはり独り神として登場するのが国之常立神(くにのとこたちのかみ)、豊雲野神(とよくもののかみ)の二柱の神さま。

 そしてその次からはペアの神様が登場します。曰く、ウヒヂニとイモスヒヂニ、ツノグイとイクグイ、オオトノヂとオオトノベ、オモダルとアヤカシコネ、そしてそして、ついにイザナギとイザナミの登場と相成る次第です。

 やがてイザナギとイザナミは天つ神の「この漂える国を作り固めなせ」という命を受けて、日本列島を作られた、という神話につながってゆきますが、そこまで語る余裕はここではありません。

 さて、問題はいざなぎ越えの話でした。イザナギとイザナミの神話を更に遡るとするとどこまでが適当でしょうか。

 あまり遡りすぎると、後々これを更に上回る景気が登場したときに名付ける神様がなくなってしまいそうです。

 私としては、これらの神様のうち、国の常立神からイザナミまでを神世七代(かみよななよ)ということから、「七代景気」あたりになるのでは、などと勝手に想像しています。

 そんな予想の当たりはずれはそれとして、こんな話題を機会にして、神話の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

 この日本という国に最初に成りませる神様の名前を言えると、ちょっと見直されるかも知れませんよ。
 


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