掛川奮闘記

2005年09月01日(木) 050901_吟醸酒を味わう会in札幌

 千客万来の一日に、昼飯も食べられずぐったりです。

 さて今日は、
■吟醸酒を味わう会in札幌 の1本です。

【吟醸酒を味わう会in札幌】
 一月ほど前に、掛川でお世話になった掛川の酒蔵土井酒造の社長から札幌で開催される「吟醸酒を味わう会in札幌」のお知らせをいただいた。

 この催しの主催者は日本吟醸酒協会(→ここ)というところで、1981年に全国の蔵元37社が集まって吟醸酒の普及のために設立した組織なのだそうだ。

 平成17年7月現在では71社の蔵元が加盟し、毎年、東京と大阪で「吟醸酒を味わう会」を開催していて、札幌では平成15年に続いて5回目の開催なのだそうだ。

 事前に一人3500円の参加料を二人分振り込んで、妻と一緒に会場のホテルロイトンに向かった。

 会場はもう開門を今か今かと待つ人たちで黒山の人だかり。

 夜6時半の開門と同時に人の波がホールの中へと吸い込まれた。

 入り口でガラス製のぐい飲みを一つ渡される。会場には壁際や真ん中作ってある島に各蔵元が陣取っていて、そこで自慢の酒を提供している。

 今日のお目当てはなんと言っても、旧大東町で合併後は掛川のお酒となった土井酒造の開運である。土井社長からの紹介だったので、会場に社長さんがいるかなあ、と思ったのだが、会場で受け答えをしていたのは息子さんであった。

 でも能登杜氏の波瀬正吉さんの腕が光る吟醸を味わえることが出来ました。心の故郷のお酒の味でした。

 そこから先は手当たり次第に各出店蔵元を訪ねては自慢の酒を注いでもらう。

 最初のうちこそ、口に入れた分くらいは飲まなくてはと思っていたが、なにしろ各蔵元が4種類くらいの酒を持ち込んで振る舞ってくれているので、とても飲んではいられない。

 ほんの少しだけ口に含んで香りや味わいを確かめるとほとんど飲まずに捨ててしまうことにした。会場にはそのためのバケツも用意されていて、まさに「酒を飲む」のではなく、「酒を味わう」という表現通りの姿であった。

 各蔵元を訪ねては、自慢の点や酒造りの苦労などを訊いて回ったが、やはり一人一人のこだわりが見えて実に面白かった。

 酒を絞るのに、最初の方は除いて真ん中の部分だけを瓶に詰めた中汲や、瓶に詰めてから3年も5年も経過した日本酒の古酒、精米歩合を35%にまで上げた自慢の大吟醸酒が所狭しと並んでいて、なかなかの壮観である。

 酒米の多くは美山錦や山田錦だが、たまに古い品種で雄町や、新種の挑戦として五百万石や神力などの文字も見える。

 「純米大吟醸米のささやき 秋津」というお酒は酒米が特A地区山田錦となっているので、よくよく見るとお酒の値段が720mlで15,000円の値段が付いている!

 これは味わってみようと思ったところ「すみません、15分でなくなってしまいました」とのこと。残念だったがこの特Aの理由を聞いてみると、「特A地区というここの山田錦は絶対に美味しいという、区域を我々は指定しているのですが、そのなかでも特に秋津さんという農家の方が作る山田錦は絶品なんです。そこでとにかく値段はどうでも良いから、ひたすらうまい酒をこれで造ったらどうなるだろう、という思いで作ってみたのが、この『純米大吟醸米のささやき 秋津』で、ですから値段もこんなになってしまったんですわ」とのこと。

 うーん、次回には是非とも味わってみたいものだ。

 純米大吟醸とただの大吟醸の違いを訪ねると、純米は本当に米と米麹だけから造る酒で、大吟醸とあればアルコール添加をしているという意味なのだそうだ。

「アルコールを入れない方が高級なのですか?」と訊くと「それもまた味わいの違いとしてとらえていただければよいのではないでしょうか」とのこと。

 日本酒は寒いところの方が美味しいというイメージがあるが、九州の蔵元だってがんばっている。寒いだけでうかうかしてはいられない。

 北海道からは旭川の高砂酒造が大吟醸一夜雫などで参戦。気を吐いていましたよ。

 こうして蔵元のウンチクや自慢をやりとりしながら美味しい酒があるというのは何とも良いものだ。二時間があっという間に過ぎてしまって大満足。

 お土産には大吟醸酒の720mlが一本ついてご満悦。

 会場も飲んだくれてくだを巻くような不埒な人は一人もいず、皆楽しそうに日本の生んだ味の文化、日本酒を心ゆくまで味わっていた。

 日本酒はでんぷんから糖を作り、その糖からアルコールを造るという二重課程を同時に行っているのが素晴らしい文化なのだ。

 器用でない西洋の酒は、糖から酒を造るのが精一杯。それでいながら糖ができすぎてしまうと糖圧力で麹が死んでしまうので、その割合に絶妙のバランスが要求されるのである。

 どうです、これが我が日本酒の文化である。飲むんだったら日本酒。日本酒を飲めば、日本の田んぼが潤うのである。どうせ飲むのなら、日本の誇るべき文化を飲むのが良いのでは。
 

 

 

 


 < 過去  INDEX  未来 >


こままさ