| 2004年05月24日(月) |
040524_役人がにんまりするとき |
【東京出張】 創発調査費の事前説明で東京へ。
締め切りが5月31日だというのに、一週間前に事前説明。随分遅くなってしまったが、なにしろ様々な角度からの質問や疑問に答えるだけの意味づけを自分たち自身が納得できなければ、全額国費の調査費など要求できる物ではない。形を整えることだけでも大変なのだ。
事前ヒアリングは国交省の担当課で課長さん以下、直接の担当者も聞いて下さった。
説明をしているうちに、若い担当者が次第にいやらしい苦笑いを始めて、ときどきわざとらしく首を振ったりする。どうも駄目な理由を見つけたようだ。さて、どんな理由かな。
一通り説明を終えると、件の若い担当官が「よろしいですか?」と渡した資料に赤ペンで書き入れたメモを見せてくれた。
「この内容をそのまま書き写して頂いてもよろしいんですが、形式の段階で受け入れられない部分がありますね」 「それはなんでしょうか」と私。
「まずこの地域創発調査費は、掛川市単独の自治体では駄目なんです。都道府県が二つ以上関わっていることが条件です」 「それは初めて聞くお話ですね。そういうことは、お示しされている要項には説明されていませんね」
「しかし、国が全額を負担するという意味は、単独の市や単独の県の問題や課題であれば、それは県でおやりになればよい話であって、それが二つ以上にまたがるので調整が必要だ、ということなんですよ」
インターネットでダウンロードした要項には、「調査課題を発案する地方公共団体は、調査課題、調査対象地域に応じ…要望を行うこと」とか、ごていねいに「複数の地方公共団体が連携する場合には、幹事地方公共団体を選定し、幹事地方公共団体から要望を行うこと」なあんて書いてあるんですな。
この書き方から、「二つ以上の都道府県が連携して提出することが条件である」とはとても読めませんねえ…。
「他にまずいところはありますか?」 「まあ、内容に具体性がやや欠けているかな、という点やあとは年度内に行わなければならない緊急性が、『市町村合併を控えた今年に』というのでは弱いですねえ。たとえばですが、来年京都議定書を発効するにあたって、その前になんとしても…、などといった理由だと強いんですけどね。でもまあ、なんといっても一番引っかかるのは、応募が単独自治体と言うことでしょうね。これだと書類審査で落ちます!」
…とまあ、最後の言葉を強調したときの、にんまりした顔は『お役人様』のお顔でしたねえ。
逆に課長さんの方が、「そうか?駄目なのか?そんなことじゃあ地方からの発案なんて上がってこないんじゃないのか?」と我々に同情的、というか、地方からの玉をできるだけつぶしたくはないご様子。
すると若い担当者が「駄目ですね。要項の調整でそうなりましたから」とにべもない。なるほど、行政はご担当者が全てのはずだ。
後からいろいろと情報を集めてみると、最初は地方からの発案を幅広に受け入れよう、という意気込みだったのが、財務省と要項の調整を進めるうちに、そんな内容になったらしい。始めは違ったようなのだ。
それにしても、後一週間で、二つ以上の県を口説いてこの調査を提出して頂くことなんて出来るのかな。まずは静岡県にご相談するとしますか。
さてもさても、役人の世界は理論と理屈が全てである。へ理屈でも理屈があれば通るけれど、理屈のないものは一切通らないのがこの世界。
自分のプレゼンを通す鍵は「理屈」だ。しかしこの理屈という鍵を振り回しすぎる姿は美しくないんだよな。自分も建設的でない役人の顔になってはいないだろうか。
鏡をよーく見てみよう。
さて創発調査費。残り時間はあと一週間である。
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