大道さんの連載が終わった。 彼女の住む部屋のベランダに薄いグレーの落書きを発見したそうだ。 5歳くらいの男の子が書いたのだろう”顔がゆがんでやせっぽちのドラえもん” 彼女はその横にこっそり毛が一本で、ハイヒールを履いているオバQを書いた。 次の住人がそれを見つけて何か書いてくれるといいなとある。 ドラえもんにオバQ、すると次はちょっと忙しく”キーン”の彼女かな? 代々そこに住む人にそっと書き継がれていく物語があるのもいいかもしれない。 ”いつもは一人だけの孤独な世界。 グレーのように白黒どっちでもない、あいまいさ。そんな日々。 人生は夢マボロシだと思うから、はかないものだから、これからも日々のちょっとしたことを かみ締めつつ生きよう。 生きているってこと自体、奇跡に近いことでありますしね。” そうだよなあと思う。 自分が心優しき人間になったときにこの文章を読むとこころの中がとってもやわらかく湿ってきて、 空に浮かぶうす雲になった。 刷毛ですう〜と引かれたグレーの雲。 な〜んにも考えることなく何年もの時間が過ぎていったみたい。 彼女の文章を読むことは仙人になれる方法”その1”かもしれません。 心優しき人間になれたのはこのせいかも(笑)
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