村上春樹さんの作品で「遠い太鼓」を読んでますが。 心に残った文章があったのでここに引用してみます。 ギリシャにあるレスポス島でのことセオフィロスの美術館に行くのですが、そこを出てすぐ隣の小さな美術館により、楽しく過ごした後。 「静かな午後、暖かい光。カフェニオンでよく冷えたビールを飲む。 誰かが僕らの絵を書いてくれないかな、と思う。 故郷から遠く離れた38歳の作家とその妻。テーブルの上のビール。 そこそこの人生。そして時には午後の日だまり。」 そしてまた、ローマの市場での事 「鮭、鰯、大根、蕪、きのこ、トマト その他の野菜を二人で両手に一杯買い込み、バスに乗って家に帰る・・・・ 「家に戻ると早速下ごしらえにかかる。 僕がインゲンの頭をむしって、茹でる。 女房が出刃で(これは日本から持参した)鮭をしわける。 すごくいいトロが出たので、わさび醤油に漬けて台所に立ったまま食べる。 こういうのをもぐもぐと食べているとご飯が食べたくなる。 ちょうど昨日の残りのご飯があったので、 このトロの刺身と梅干をおかずにして食べる。・・・ というように続くのですがこの作家の生活がどんなに、 幸せかすごく伝わってくるのです。 勿論大変なことも一杯ありますが、夫婦単位の幸せが心に染みる描写です まだ小説は読んだことがないのですが、 エッセイを読んですっかりファンになりました
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