嫌な事、辛い事、何処に吐きだして良いかわからない事
そんな事がある度、この日記を開いている
今日は一年に一度の大切な日 大切な友人の命日
毎年、同じような事ばかりを想う 前へと進めていない、愚かな自分がいる 暗い部屋で、蝋燭を付け、ただ、想う その火が消えるまで、ひたすら… それが彼に対する唯一出来る供養だと思うから そして、遺書を読み、悔し涙を流す まぁその遺書は、本当の遺書では無いのだけれど…
時と共に薄れゆく記憶 それでもまだあたしの中に残っているのは あのお通夜の日、棺桶の中のあなた 何故だかもう、その死に顔しか思い出せない 綺麗な死に顔だった 今にも動きそうな、そんな…
記憶を辿る 涙を堪えながら、会場に入る 知り合いである、あなたの友人が受付 礼をし、お香典を渡し、名前を書き、中へ… 中へ 入ろう 入らなきゃ …足が動かない 友達に支えられながら、少しずつ、歩く すごく近い距離が、永遠のように遠く感じる 飾られた華、写真、流れる音楽 嘘ではない事をあたしに教えてくれる これは本当の事なんだ、と 棺桶の前、泣いている女の人がふたり ああ、あそこにいるんだ… すこしずつ流れていた涙はもう止まらない お母さんと話をする 何度かしかお会いした事がなかったのに、 あたしを認識してくれていた 誰かが手回しをしたのかもしれない そこからお母さんと一緒に棺の前へ お母さんの話、聞こえない 涙が止まらない 過呼吸寸前 まだ現実を受け止められない 会場の時間の都合上、別室へ移動となる あたしもついて行く 涙はまだ止まらない 少し、外で落ち着く 友達は先に帰ってもらった 無理矢理止めた涙 もう一度、顔を見に行く やはり綺麗な死に顔 死んでるの? 本当に? 信じられず見つめていた 別の友達が、遅れてきた その時のあたしはもう何も考えられない状態だった 放心 まさしくそんな感じ 一旦帰宅し、明日の事を少し話し合って、家へ 手紙を書いた 何枚も 『どうして勝手にひとりで逝ってしまったの?』 『どうしてあたしを連れて行ってくれなかったの?』 『約束したの、忘れたの?』 責める言葉ばかり、、、今思えば最低な手紙 でもあたしの哀しみは怒りでもあった そう思う お葬式、前から2列目の席に座る 茫然と、手を合わせる 焼香をする 淡々と過ぎていく 作業 それも終わり、最後のお別れ、、、と言う時間がきた 皆が思い思いに棺の近くに行き、別れを告げる 「みさきも…」と言われ席を立たされる そこからまた足が動かない 近寄れない 最期だなんて認めたく無い そんな気持ちから 棺のすぐ近くで泣き崩れるあたし 支えられ、辛うじて立っている 信じられない それだけだった 大泣きした 子供みたいに泣いた 涙でぐちゃぐちゃだった 全部ぐちゃぐちゃ 頭の中も、心の中も… … どれぐらい経ったかはわからない それでもこの場から立ち去らなければならない 心の中でお別れを何度も告げ、手紙を入れ、 出口へ向かう 壁際で、あなたの友達が泣いている みんなが泣いている あたしも泣いている… … 外は雨上がり 斎場までは行かない事にした 図々しい気がして
その日、あたしは一旦家に帰ってから、 必要以上に明るくふるまった 笑った はしゃいだ 何もなかったかのように
それでも夜、ひとりになって泣いた 心の中でずっと
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忘れられない記憶
残しておきたい記憶
敢えて残す
辛い事だったけど
あたしにとって大切な記憶
あなたは今、なにを見ていますか? どこにいるんですか? あたしを見て、成長しないなって、笑いますか? リスカ…怒らないよね 一緒だもんね
あたしは今日を忘れない
この先ずっと
誓う
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