□■ あたしのお教室 ■□
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はい、こんにちは。
昨日、いつものお店で買い物をしていると卒業生であるヒカルのお母さんに出会った。 ヒカルは兄くんと同級生だ。 とっても数学がよく出来る子で、特に幾何分野が得意だった。
「せんせ、こないだ、ヒカルが問題を起こして私、学校に呼び出されたんです。」
「えっ?!」
ヒカルは優等生タイプではないけど、学校で問題を起こすような子じゃないぞ。うーん。。。
「数学の時間に先生とケンカして、それで先生が怒って授業を中断してしまったんです。 教師への暴言ってことで呼び出しくらったんです。」
「え〜〜!」
ヒカルは数学がとっても好きなはずだ。入学してからも学年topだってMくんから聞いていたのに。
「今年から数学の先生が代わって、新卒の先生になったんです。 初めての中間テストで、いつもと同じ解き方をしたら、ある問題で1点しかもらえなかったそうで。 自信をもっていただけにショックで。それで、すぐ先生に抗議したらしいんです。 どうして1点なんですか?説明してください。って。 そしたら、先生、今は説明する時間じゃないといって、さっさと授業をすすめたんですって。 それで、ヒカルはぷっつんときてしまって、暴言を吐いたみたいなんです。 周りも同調してしまって、先生は怒って職員室に帰ってしまったって。」
「うーん。。生徒から説明を求められたら、即答するのがあたりまえじゃないかなぁ。 なんで、すぐ説明しなかったのかなぁ。 それにどんなことがあっても授業を放棄したらあかんわ。」
「そうでしょ。せんせ。学校から電話があって、ヒカルがなにをしたのかと 思って、とんで行ったら、そんなことだったんです。 校長・教頭・学年主任等7人の先生に囲まれて、謝罪を求められたんです。 私は頭にきました。当事者の先生は出てこないんですよ。 皆でかくまってる感じなんです。そんなのフェアじゃないですよね。」
「その通りだと思います。今後の先生との関係を考えるなら、そこでしっか りお互い話をして、納得しあって、信頼関係を作っていくべきやないかなぁ。」
「私は、ヒカルに、この際だから言いたいことを言いなさい。といいました。 ヒカルはちゃんと気持ちを説明してましたよ。 7人の先生の中で、ヒカルの気持ちも分かるっていってくれたのは、たった一人でしたわ。。。」
「情けない話ですね。。。」
「でもね、せんせ、ヒカルはね、もしもこれが苦手な教科だったら、そこまでしなかったと。 得意な数学やったから、悔しくてやってもうたんや。って言ってましたわ。 自分でも言い過ぎたってわかってるんですわ。」
「そうですか。ヒカルくんも大人になったねぇ。。。 もうすぐ試験でしょ。 次はどうにか頑張って、文句なしの点をとって見返してやらんとね。」
「そうそう、ヒカル、100点取るっていってますわ。」
「さすがや!!」
・・新卒の教師ってのは、まだ、先生の卵みたいなもんだ。 生徒との触れ合いで殻を破って初めて、ひよこになるんだ。 自分の力だけじゃ殻は破れないんだよな。 生徒が求めてきたら、体を張って応えるべきやろ。 あたしも新卒の時は、泣いたり喚いたりして、ばりばり殻を破ってやっとひよこ先生になったんだ。 それを逃げていてどうするよって思うよ。
ヒカルはね、車椅子のお父さんと半身が不自由なお母さんにしっかり育ててもらって、 きっと、先生よりも社会体験は豊富だよ。 親に代わって地域の行事(冠婚葬祭も含めて)もこなしてるような子だよ。
先生よ、学校よ。もっと大きな懐で生徒をどかんと受け止めてやるべきじゃないか?
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