□■ あたしのお教室 ■□
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2003年04月11日(金) 取っ組み合い。

これはやっぱり記録しておかねばならんだろう。

4月6日、日曜日のこと。試合から帰ってきた兄くんと弟くんが、
夕食前に取っ組み合いのけんかをした。
原因は兄くんの心無い一言。
それに対して弟くんがいきなりパンチを食らわせた。
いやー、それからの取っ組み合いはすごかったね。
なにせ、私が記憶している限り、手を出してケンカしたってことが、
一度しかなかったもんだから(その時はすぐ終わった)、
あたしはもう、傍で眺めてるだけで、何にも出来なかったわけさ。

だんだんエスカレートしてきて、家具とかが、移動し始めたもんで、
こりゃやばいと思って、のたのたととめに入ったわけ。
すると、兄くんが、まっこと冷静に「かーさんはあっちへ行っとき。
怪我すんで。」と弟くんを羽交い絞めにした状態で言うんだ。
それでも引き下がるわけにもいかんので、また、のとのとと、
二人を引き離そうとしたんだけど、ま、全然、びくともせんわね。

結構長い時間だったよ。
最後は、二人とも力尽きて、やっと離れた訳なんだけど。

弟くんはどすどすと二階へ駆け上がり、兄くんはそのままリビングに。
「メシ、食う?」って聞いたら、「いらん、たべられん。」という。
うはー、口の中が切れてるー。派手にやったもんだ。

そのうちに弟くんが出て行く音が聞こえた。
自転車でどっかへいっちまった。
しっかり、お金と携帯を持っていくあたりが、なんともまぁ。。

弟くんからメールがきて、「帰らん」という。
「心配やから、居場所だけ教えとって」と送ったけど、言わない。
そりゃそうだ。
「教えてくれないんだったら、今から探しにいくよ。」というと「こんでええから」という。
ま、返事が返ってくるだけましかぁと思って、今度は兄くんと話する。
「キミがいつも我慢してること、かーさんは知ってるよ。
 だけどね、人にはこれだけは言われたくないってことがあるんよ。
 同じことキミがあいつから言われてもなんともないかも知れんけど
 あいつにはショックやったんよ。」と。
「ぼくは手を出すつもりはなかったんや。あいつが先に殴ってきたから、
相手せなあかんようになった。」
「うん、それもようわかっとる。
 今回のことは、原因をつくったんはキミやろ。
 あいつがどれだけ生意気でも詫びはいれなあかんやろうな。」
「・・・・・。」
「今すぐにとは言わんから。先でいいから。」
「あいつと話するつもりないわ。」
「うん、今はそんな気持ちにならんやろうから、何もいわんでもええ。」

しばらくして、弟くんからメール。
右手を骨折したみたいやから帰ると。

外で待って、話をしようと思った。10分ぐらいだったけど、結構待ってる
時間って長かったよな。

「オレはあいつを絶対許さん。顔もみたない。」
「はいはい、わかっとる。だけど、そういうわけにもいかんやろ。
 とにかく家かえろ。ご飯たくさん作ったのに、誰も食べてくれへん。」

弟くんと家にはいると兄くんはもう二階に行って寝ていた。
飯も食わず。

              ◆◆◆

私はね、思ったよ。
兄くん、可哀想だって。
どんなときだって、にこにこ笑って、不平不満ひとつ言ったことがない。
体の弱い弟くんを彼なりにかばってきたとこあるんだよね。
ふとした自分の失言から、売られたケンカをしなきゃいけなくなって、
細い弟くんを殴って蹴って羽交い絞めにして、、。
彼に一番似合わない行為だもんね。

それからしばらく、自分の部屋にこもって、出てこなかったもんね。
ふと覗きにいくと、携帯の小さい画面みて、ずっとテトリスしていた。
きっと何かして気を紛らわせたかったんだよね。。

結論から言えば、その日のうちに仲直りした。
侘びをいれたのは、弟くんのほうだった。
少年マガジンを兄くんの部屋にそっと持っていっていた。
兄くんは、試験があるから、いらん、って言ったらしいけど。

やっぱり、小さい時にある程度、取っ組み合いはしていたほうがいいと
思った。
けんかもしない兄弟って、不自然だよね。

弟くんの手は骨折してなかった。
病院の検査結果がでるまで、兄くんはどーんと落ち込んでいた。
弟くんはけろっとしていたけど。。

いやはや、気をもんだ。
あ、あたしの肋骨はこのケンカのせいではないから。
その前から痛んでいたんです。ご心配なくね!


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