くじら日誌
温かい、紅茶を傍らに。
穏やかで何もない日々だけれど。
せいいっぱい、生きよう。

2003年03月09日(日) どきどき

夢を、見ました。
霧がかった緩い坂道を、ひとりで歩いていました。
その先には学校があって、校舎の2階から、声をかけられました。
知っているような、知っていないような、顔。
その人は「おいでよ」と、わたしに言いました。
わたしは校舎に入り、階段を上る途中で友人に会いました。
少しの雑談のあと、彼女は愛器のホルンを手に取って、
「一緒にやろうよ」と言うのです。
わたしは淡々と「やらないよ」とだけ告げて、
声をかけた人のいる教室に入りました。
そこでは、わたしの高校の卒業生たちが、演奏会の練習をしていました。
最初はぼんやりとその光景を見ていただけだったのに、
隅に誰も使っていないソプラノサックスが置いてあるのに気付いて、
わたしはそれを取り出して練習に加わりました。
隣には同期の男の子が座っていて、
「ああ、そういえばわたしは彼のことが好きだったな」と思い出して
少しだけ、ほんの少しだけどきどきしていました。
久しぶりに会うはずなのに、
「今何してるの」だなんて社交辞令的な会話は何もせず、
楽譜を見ながら曲について話していました。
ただ、それがとても心地よくて、懐かしくて、幸せでした。

そんな夢を見たのがとても不思議で、
「わたしは吹奏楽がまたやりたいのかなあ」だなんて思っていたら、
今日、本当に再会してしまったんです。
その、同期の片想いだった人に。
仕事中、カウンターの中で包装に必死になっていて、
ふと顔を見上げたらそこにいました。
わたしの隣で包装しているスタッフが接客したようで、
彼はギフトの包装が終わるのを待っているところでした。
目が合って、一瞬事態がわからなくて、
声をかけられて初めて理解してけれども、やっぱり混乱していて、
「お久しぶりです」なんてやけに他人行儀な言葉使いになってしまいました。
もう、3年も会っていなかったから、本当に驚きました。
彼はわたしが他の人の接客をしている間に帰ってしまったけれど、
すごい奇跡を目の当たりにした気分でした。

お互い、馴れ合いとか上辺の付き合いとか、そういうのが嫌いなタイプだから、
たぶんこの先もまた別々の道をそれぞれ歩んでいくんだろうけれど、
それがなんとなく一番しっくりくるなあ、と思いました。
生死確認ができただけでも、十分だと心底思いました。
恋人を追って単身アメリカに行った、という風の便りを聞いて以来、
誰もその消息を知らなかったようだから。

それにしてもこんなドラマみたいな偶然ってあるんですねえ。


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