境内から伸びる道の脇は駐車場になっていた。 都会化が進むにつれ、寺院の維持も大変なのだろう。 あるいは、お参りに遠くから来る人のためなのかもしれない。
お参りを済ませて、大通りへ戻ろうとすると その途中で猫が一匹、脇の茂みから歩み出てきた。 駐車場の脇の段差の匂いを嗅いでいる。
そっとカメラを取り出して、驚かせないように構えたのだが 彼(彼女かもしれないが)は動じる様子も無かった。 しゃがみこむと、向こうから近寄ってくる。 軽く背中をさすり、喉を弄ると、尻尾をぴんと立てたまま 無関心を装ったように見えた。
首輪は無いが、毛並みが良い。 人にも慣れているようだからどこかで飼われているのだろうか。 暫く遊んでいると、入り口から主婦が二人歩いてきて 軽く笑われてしまった。
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自分に我儘を言って、ほんの少しだけ夢を見させてもらった。 そこに君が出てきたよ。なんだか少し、可笑しかった。
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あの猫も、今はどこかで眠っているのだろうか。 また逢えるだろうか。
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