Neon。

昭和通りを銀座一丁目付近から汐留方面へ向かって歩くと
やがて晴海通りへとぶつかる。

三原橋の交差点を渡って
背中に歌舞伎座を見ながら四丁目交差点へと向かうと
ほどなくその地下にシネパトスを抱く三原橋に差しかかる。
橋の中ほどにはドールインセイコの人形達が
ショーウィンドウの淡い光の中で腰を落ち着けている。

向かいから明らかに年の離れているカップルが
腕をからめながら近づき通り過ぎる。

やがて道は中央通りと交わる。
そこが銀座四丁目交差点だ。
日産のショールームが密やかな光を表通りに放っている向かいでは
辺りを睥睨するように三越のライオンが佇立している。
そして、はす向かいには和光の時計台が青白く輝いている。

やがて信号は青に変わった。
道を渡り、三愛の前を抜けて
ベルギーワッフルの店を左に曲ればそこは裏通り。

大通りの喧騒に背を向けながら進んでいくと
やがてクライアントのビルが見えてくる。
無事クライアントに荷物を渡したら今日の仕事は終了。
その後は帰路につくだけだ。

裏通りには客引きのアンチャンやねえさんが
道行く人に声をかけている。
銀座は一人で飲む場所ではない。
と僕は思っているのでまっすぐ外堀通りを目指す。

外堀通りへ出るとそのまま有楽町方面へと足を向ける。
東芝ビルの前を過ぎると外堀通りは
先ほど背を向けた晴海通りと交わる。
数寄屋橋のスクランブル交差点だ。

点滅した青信号に急かされるように
人々が交差点を足早に渡っていく。
僕はネオンが見たくて点滅している信号を前にわざと立ち止まった。

向かいにはソニービルがたたずみ
斜め向かいには彼方の月と競うかのように
不二家の看板がまたたいている。
やがて一組のカップルが交差点でタクシーを止め乗り込んでいった。

信号が青に変わるとそびえるマリオンに向けて歩をとる。
からくり時計の下をくぐり
映画館のレイトショーに並ぶ人達を横目にしながら
僕はJRの駅へと向かった。

銀座のネオンは鋭いほどに冷たいが
泣きたいくらいに優しくもある。

そう感じる夜もある。



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↓過去日記(別名「恥さらし」ともいう(笑))もついでにどーぞ♪
2004年01月24日(土) 新年会パート2。
2003年01月24日(金) 給料日♪
2005年01月24日(月)

幾瀬の星の煌めき / やまぴぃ

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